インテルは2024‑25シーズン、国内外で堅固な守備力を武器に一躍注目を浴びた。
しかし、シーズン終盤に予想外の崩れが露呈し、タイトル争いで敗北を喫した。
本稿では、データをもとにその強みと弱点を立体系で整理し、最後の脆さへと至った理由を論考する。
史上最悪のUCL決勝と揶揄されたパリサンジェルマンとの決勝戦、あの悲劇はなぜ起きたのか。
1. “鉄壁”を支えた圧倒的守備力
1.1 失点数の検証
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セリエAでは38試合通算失点35(1試合平均0.92)で、リーグ最少失点5位以内。
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チャンピオンズリーグでは12試合で5失点、クリーンシート8試合という驚異的安定性。
1.2 守備布陣の質
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CB陣(シュクリニアル、バストーニ、アチェルビ)とGKソマーによる統率のとれた最終ライン。
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中盤(バレッラ、チャルハノル)は守備ブロック形成と前線への安定供給を担う。
以上の構成により「守備組織の強固さ」がシーズンを通じて持続された。
2. 戦術的強度とその限界
2.1 ハイブリッド3‑5‑2の強み
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ウイングバックによる攻守両局面の橋渡し
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チャルハノル・バレッラによるライン前バリア展開
2.2 繊細なバランスが抱えた脆弱性
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ハイプレス時の後方ビルドアップの不安定さ
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サイドからの戻りが遅れた状況での被カウンターリスク
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主力へのセントラル依存(特にバレッラの運動量)
これらの“隙”が、UCL準々決勝や終盤戦で一気に露呈していく構造だった。
3. シーズン後半の失速と崩壊要因
3.1 終盤成績の悪化(定量的分析)
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セリエA:終盤5試合で3敗(相手はボローニャ、ミラン、ローマ)
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失点のうち40%以上が後半戦に集中(前半と比較し失点率倍増)
3.2 背景にある心理・疲労要因
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過密日程による主力の体力消耗と負傷(バレッラ、ディマルコなど)
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ベンチ層の薄さによるローテーション難
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UCL敗退(準々決勝・準決勝)は精神的動揺を誘発し、リーグ戦にも波及
これらが複合的に作用し、守備の綻びが防げない状況を生み出した。
結論
2024‑25シーズンのインテルは、確かに「鉄壁」と呼ぶにふさわしい守備組織だった。
しかし、それは絶妙なバランスによる仮設構造であり、わずかな歪みが一気に崩壊を呼び込む“ガラスの要塞”でもあった。
その終盤の失速は、戦術、選手層、日程調整の三重奏による構造的限界が原因だ。
「鉄壁ゆえに脆い」というパラドックスを、今後の戦略再構築の礎として活かすことが求められる。
2025‑26シーズンに向け、補強と選手層の拡充がカギとなるだろう。
SNOWさんの思うこと
UCL決勝、楽しみにしていたけど残念な結果に終わってしまいました。
パリサンジェルマンの全員攻めみたいな奇策に対して、一瞬の隙をつかれて失点、その後攻めないといけなくなり守備が崩壊。
その予兆はリーグ戦から起きていて、最後力尽きたという表現がふさわしいのかもしれない。
そうなるとやはり選手層の厚さの一言に尽きるのかなと、パリはカタールのチームと言われるけど、大富豪がスポンサーですよね。
インテルやミランも外資系だったと思うけど、いっそのこと統合して元のミラノのチームに戻ったら良いんじゃないかって思います。
でもそれでスポンサーも減ったら意味がないか。