2000年代初頭、ACミランはまさに黄金時代を築いていた。
その強さの源の一つが、圧倒的な守備陣にあったことは間違いない。
中でも異彩を放っていたのが、オランダ出身のセンターバック、ヤープ・スタム。
「謎」とさえ言われた彼の存在感は、数字に出ない何かを確かに宿していた。
1.ヤープ・スタムがミランにもたらしたもの
ヤープ・スタムはマンチェスター・ユナイテッド、ラツィオなどを経て、2004年にミランへ加入。
当時すでに30代に入っていたが、そのフィジカルの強さ、スピード、そして経験値
は、まさに鉄壁のディフェンスを支えるピースだった。
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体格は大柄だが、ただ大きいだけでなく足も速い
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ロングパス・ショートパスともに安定感があり、後方からのビルドアップにも貢献
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接触プレーに強く、空中戦でも信頼できる
ネスタやマルディーニと並ぶ形での4バックは、対戦相手にとってはまさに壁のようだった
2.“謎”と呼ばれる理由
スタムが“謎”とされるのは、圧倒的な印象に比べて語られる機会が少なかったからかもしれない。
例えば、メディアに出る頻度も低く、派手なゴールやアシストも少ない。
それでも、試合を見ている者にはわかる「いぶし銀の仕事ぶり」がそこにはあった。
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派手なスライディングは少ないが、位置取りが抜群
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無駄に倒れず、相手の動きを読みきる守備
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仲間のポジショニングもコントロールし、統率力も高い
特に、ミランがCL決勝まで進んだシーズンでは、前線の輝きの裏に、スタムのような“静かなリーダー”の存在が大きかった。
3.チームに与えた安心感とバランス
スタムのすごさは、チーム全体の“安定”に貢献していたことだろう。
彼がいるだけで、最終ラインに落ち着きが生まれ、ボールを奪ったあとの展開にも余裕が出る。
実際、彼がスタメンに入っているときは、チーム全体の失点が少なかった印象がある。
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守るだけでなく、攻撃にリズムを与える第一歩になっていた
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味方のミスも冷静にカバー
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ピッチ上の「空気清浄機」のような役割
まさに、守備の知性と信頼の象徴だった。
まとめ
ヤープ・スタムは、語られることの少ないセンターバックかもしれない。
だが、その存在はまちがいなくミラン黄金期の守備を支えた“縁の下の力持ち”だった。
数字や記録では測れない、静かで重厚な存在感。
彼のような選手がいたからこそ、ミランはあの時代にあれほどの輝きを放てたのだろう。
SNOWさんの見解
サッカーって守備がやっぱり一番大事で、得点はある程度センスがあって、チームワークと幸運も味方すればとれるという感じだと思っています。
でも守備は連携も大事だけど個の力がすごくものをいう、ポジショニングからフィジカル、テクニック、ぜんぶ必要です。
守備は足が遅くて下手な選手というイメージを僕も若いころは持っていましたが、いまは守備にいい選手がいるチームはやっぱり強いという感じに変わりました。
スタムはゲームだとどのゲームでもだいたい足が遅いですが、実際は速かったって試合を見た印象とかではわからないのですが、最近は速かった説をよく見かけるので、実際どうだったんでしょうね。