夏の北海道、空と海と大地が広がる石狩湾で、今年も熱い音楽の祭典がやってくる。
「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025」は、8月15日から16日にかけて、小樽市銭函で開催される日本屈指の野外フェスだ。
1999年の初開催以来、ロック・ポップス・インディーズが交錯するこのフェスは、都市型フェスとは異なる開放感が魅力。
この記事では、その魅力と社会的背景、今後の展望について考察していく。
1.北海道の自然と融合する音楽体験
RISING SUN ROCK FESTIVAL(以下RSR)の最大の特徴は、開催地そのものにある。
北海道小樽市の石狩湾新港という開かれた空間は、会場全体がまるで自然のステージとなっており、朝から夜、そして朝日までを一貫して体験できる。
RSRは「オールナイトフェスティバル」という稀有な形式をとっており、日没後から朝日にかけて音楽を浴びる設計がなされている。
これにより、夜の静寂と音楽、朝日の光と観客の歓声という独特のコントラストが生まれる。
2024年の来場者数は約4万人、キャンプイン可能なフェスであることも特徴で、参加者の7割以上がテント持参というデータもある。
単なる音楽鑑賞を超えた、「生活」と「フェス」が融合した2日間なのだ。
また、北海道の夏は本州ほどの猛暑ではなく、夜は涼しさを伴う。
音楽を通じて「風土との共存」を肌で感じることができるという意味で、RSRは極めて土地性の高いフェスティバルと言える。
2.ロックフェスの社会的役割と地域への波及効果
RSRの存在は、音楽だけにとどまらない、小樽市や石狩湾周辺地域において、経済的・文化的な影響も大きい。
まず経済面では、フェス開催による直接的な観光収益が挙げられる。
2024年の推計では、宿泊・交通・飲食を含めた経済波及効果は約12億円に上るとされている。
また、地元農産品やクラフト商品の出店が多数あることも重要だ。
単なる出張販売ではなく、「道産子ブランド」の魅力を観客に直接届けることができる。
特に若者世代にとって、フェスがローカル文化との出会いの場になっている点は注目に値する。
さらに、RSRは持続可能性にも取り組んでいる。
再生可能エネルギーによる一部電力供給、リユース食器の導入、ごみの分別意識の徹底など、環境配慮型フェスとしての側面も強い。
このような取り組みは、地元自治体との連携なしには成り立たない。
音楽イベントが地域とのパートナーシップを築き、共生していく好例として、RSRは全国的にも先進的な存在といえる。
3.世代とジャンルを超えて交わる「サマーロック」の現在地
RSRの魅力のもう一つは、そのラインナップの多様性にある。
ロックを軸としながらも、フォーク、ヒップホップ、エレクトロニカまで、幅広いジャンルのアーティストが集う。
2025年の出演者には、常連ともいえるACIDMANやサカナクション、そして新世代を代表するずっと真夜中でいいのに。や羊文学などが名を連ねている。
このような顔ぶれは、若者だけでなく、かつてのロックキッズやファミリー層にも刺さる内容となっている。
また、観客層にも変化があり、10代〜20代のソロ参加も多く見られるようになり、SNSとの親和性を活かした参加スタイルも定着している。
一方で、親子連れや中高年層のグループも多く、「世代を超えた交差点」としてのRSRの地位が確立しつつある。
単に音楽を楽しむだけではなく、音楽をきっかけに、人と土地、人と人とがつながる、そのつながりの場を生み出しているのが、まさにこのRSRなのである。
出典:D
まとめ
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025は、単なる夏フェスではない。
北海道の自然、地元との連携、多様な音楽と観客が交錯する「場」としての機能を持ち、文化的にも経済的にも高いポテンシャルを秘めている。
都市型フェスでは得られない「生きた体験」がそこにはあり、夜を越えて朝日とともに音楽を迎えるという構成自体が、フェスの哲学を物語っている。
「音楽の持つ力」を、風景と人との交わりのなかで再確認したい人にこそ、RSRは最高の舞台となるだろう。
SNOWさんが思うこと
地元香川県で行われる、MONSTER BASHには暑すぎて僕はあまり行く勇気がないのだけど、北海道だったら行きたいと思う。
何せこの猛暑の中、毎年何人かは熱中症で運ばれたりするので、その中に自分が含まれる可能性とか本気で心配している。
出演するグループを見ると半分以上は知っている方々ばかりで、見に行きたいのはやまやまな感じですが、暑くて人がたくさんいるところは行けない。
そんな葛藤の中みつけた北海道のロックフェス、もし真夏に出張とかで北海道に行く機会があったら、ぜひ見に行きたいなーと思いました。