春のGⅠ戦線が一段落し、夏競馬が幕を開けるこの時期。
表舞台から少し離れたように見える時期こそ、秋に向けた勢力図の変化を読み取る大事な季節だ。
春に活躍した馬たちが順調に進むのか、あるいは夏の間に新星が現れるのか。
ここでは牡馬・牝馬の両視点から、秋の主役となる存在を予測する。
1.3歳勢の勢力構図──春の成果と夏以降の成長性
まず牡馬から見ていこう。2025年のクラシックでは、「クロワデュノール」が皐月賞2着、日本ダービーでは完璧なレース運びでGⅠ初制覇を飾った。
2歳時からホープフルSを制し、世代トップクラスの存在を証明してきた馬である。
秋は菊花賞を中心に、さらなる飛躍が期待される。
一方で、皐月賞馬「ミュージアムマイル」も侮れない。弥生賞から連勝で皐月賞制覇に至り、マイルから中距離にかけての高い対応力を見せている。
ダービーでは距離の壁が指摘されたが、適距離に戻る秋の毎日王冠や天皇賞(秋)では再び輝く可能性がある。
牝馬では、桜花賞馬「エンブロイダリー」がその後のオークスでも2着と好走し、春の牝馬二冠戦線を牽引。
対してオークスを制した「カムニャック」は、東京芝2400mという特殊条件で鋭い末脚を見せた。2頭は秋華賞で再戦濃厚とされ、そこにローズS組がどう絡むかが焦点となる。
牝馬は一般的に夏場に調子を崩しやすいとされるが、逆にそこで踏ん張れる馬は秋の主役となりやすい。
夏の状態管理も評価材料の一つとなる。
2.古馬戦線──安定感と復活を見せる実力馬たち
古馬牡馬では、「ソウルラッシュ」が今季も安田記念3着と健在。昨年のマイルCSでGⅠ初制覇して以降、安定した成績を維持している。
マイル~中距離での総合力の高さから、秋の天皇賞やマイルCS連覇への期待も高い。
中距離路線では、大阪杯で惜敗した「ジャスティンパレス」なども、京都大賞典や天皇賞(秋)で巻き返しを狙う構え。
昨年末の有馬記念組がどう仕上げてくるかも、秋競馬の焦点となる。
古馬牝馬では、「スタニングローズ」が2024年のエリザベス女王杯を制して以降、安定した走りを見せており、秋の牝馬GⅠ戦線では軸の存在。
さらに今年のヴィクトリアマイルで復活の勝利を飾った「アスコリピチェーノ」も秋のマイル・中距離GⅠ戦線に名乗りを上げる。
秋華賞、エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップと、牝馬GⅠは戦線が重なるため、状態やレース間隔も含めた陣営の判断が鍵を握る。
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