オリーブオイルは健康志向の高まりとともに、家庭の食卓にも定着してきた。
しかし「良いオリーブオイルの見分け方」については、巷にさまざまな情報が飛び交い、その信憑性は議論の的だ。
「遮光瓶でなければ偽物」「原産国はイタリアに限る」などの定説は本当なのか、それとも都市伝説なのか。
ここでは、オリーブオイルにまつわる“見分け方”の信憑性を検証していく。
1. オリーブオイルの品質を決める本当の要素とは
オリーブオイルの品質は、いくつかの客観的な指標によって決まる。もっとも代表的なのが「酸度」だ。
国際オリーブ協会(IOC)の基準では、エクストラバージンオリーブオイルは酸度が0.8%以下であることが求められる。
これは収穫から搾油までのスピードや鮮度に直結しており、酸化の進行度を示す重要な数値である。
また、「ポリフェノール含有量」も注目すべき品質指標だ。
これは苦みや辛みのもとになる成分であり、オリーブの品種や収穫時期によって大きく変わる。
これらは一般消費者がラベルから読み取るのは難しいが、信頼できる生産者やブランドは成分分析を公開している場合もある。
つまり、ボトルの見た目や価格だけではなく、第三者認証や分析データの存在が、品質の判断材料になるのが実際のところだ。
2. よく言われる“見分け方”は本当に役立つのか
ネットやSNSでよく語られる“良いオリーブオイルの見分け方”の中には、事実に基づいているものもあれば、誤解や単なるマーケティングもある。
●「遮光瓶は良いオイルの証」
これは一理ある。光によってオイルは酸化しやすくなるため、遮光瓶に入れている製品は、保存性を考慮しているとも言える。ただし、遮光瓶であっても中身が粗悪であれば意味はない。
●「イタリア産が一番」
これも誤解されがちだ。たしかにイタリアは品質の高いオイルを生産するが、スペイン、ギリシャ、さらにはチュニジアなども高品質の産地である。さらに「イタリア産」と書かれていても、実際には他国から輸入したオリーブを使っている例もある。
●「値段が高い=良質」
価格は品質の一要素にはなり得るが、過信は禁物。輸入コストやブランド料が価格に上乗せされていることもあるため、単純に価格=品質とは言い切れない。
つまり、「遮光瓶」「産地」「価格」といった“見分け方”は一概には信用できず、あくまで補助的な目安としてとらえるべきである。
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