2024-25シーズン、インディアナ・ペイサーズはNBAで最も魅力的なオフェンスを展開したチームの一つだった。
タイリース・ハリバートンを起点に、速く、巧みで、分かち合うスタイルを貫き、ファンと専門家の注目を集めた。
プレーオフでもそのスタイルは崩れず、ついにNBAファイナルまで到達。
だが最後の一歩、OKCの堅守を前にその“美しき攻撃”は封じられた。
1. ペースで押し切る美学とその完成度
ペイサーズはレギュラーシーズンを通じて、リーグでも有数のペース(Pace Factor)を誇った。
1試合あたりの平均得点は120点を超え、3ポイントと速攻を軸に圧倒的な攻撃力を発揮。
1試合平均アシスト数は29本、ボールがよく動き、試合中に5人全員が得点に絡む場面が多かった。
中心となったのは司令塔タイリース・ハリバートン。
シーズン平均8.6アシストに加え、ゲームコントロール能力、テンポ判断、スピードの緩急などプレーメイク面で突出。
周囲の選手たち、特にパスカル・シアカムやオビ・トッピンとの連携がスムーズで、
「誰がエースか分からないほど全員が脅威」と評される試合も少なくなかった。
このように、2024-25のペイサーズは「走る・回す・決める」を高次元で融合させたチームだった。
出典:ニコラス武ラジオ
2. ファイナルで直面した“守備との衝突”
ペイサーズの攻撃力は、ウェスタンの強豪を撃破してきたOKCサンダーとのファイナルで試練を迎える。
OKCは組織的なスイッチディフェンス、リムプロテクト、そしてカウンターに長けたチームであり、
ペイサーズの得意とする速攻とパスワークを早い段階から寸断してきた。
特にGame 4以降はペースダウンを余儀なくされ、
平均得点はレギュラー時より25点以上落ち込み、ターンオーバーも急増。
ハリバートンの負傷もあって攻撃のリズムが崩れ、2ポイントの成功率も約56%から52%前後に低下した。
加えて、OKCのShai Gilgeous-Alexander(SGA)のゲーム支配力が終盤に際立ち、
“点を取るのが難しくなる展開”に慣れていないペイサーズの攻撃は機能不全を起こした。
つまり、ファイナルでは「攻撃の型」そのものが読み切られ、封じ込まれた格好となった。
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