夏の終わり、芝生の上を駆け抜ける足音がスタジアムに響きます。
その瞬間、観客席から大歓声が巻き起こり、空気が震えるように揺れる。
タックルに倒れてもすぐに立ち上がり、仲間に声をかける選手たち。
彼女たちの全力プレーは、ただのスポーツを超えて「生きる力」を伝えてくれます。
1.大会の基本情報とスケール感
2025年女子ラグビーワールドカップは、8月22日から9月27日までイングランドで開催されます。
参加チームは史上最多の16カ国。前回大会から規模を拡大し、世界的な注目度が一気に高まっています。
大会テーマは 「This Energy Never Stops」。
「止まらないエネルギー」という言葉が示す通り、選手だけでなく、ファンや地域社会がつくる熱量そのものが主役です。
イングランド国内の8都市で試合が行われ、ウェンブリーやトゥイッケナムといった大規模スタジアムも使用予定。
これまで男子中心だったラグビーの舞台に、女性アスリートの躍動が堂々と刻まれることになります。
2.優勝候補と注目チーム
ここで気になるのは、やはり「どのチームが勝ち上がるのか」。
世界ランキング上位の勢力図を見ると、ニュージーランド、イングランド、フランスが三強。
ニュージーランドは「ブラックファーンズ」として知られる王者。スピードと連携の完成度が高く、歴史的に女子ラグビーを牽引してきました。
イングランドは地元開催の強みと層の厚さを武器に、前回の雪辱を狙います。
フランスは近年着実に力を伸ばし、フィジカルと展開力を兼ね備えたチームに成長しました。
アジア勢では日本代表「サクラフィフティーン」にも期待が集まります。
前回大会では課題を残しましたが、組織力と粘り強さを武器に、世界を驚かせる一戦を見せてくれるはずです。
3.パワフルかつキュートな注目選手たち
世界の女子ラグビーを象徴するスーパースターとして、ニュージーランドのルビー・トゥイ(Ruby Tui)は外せない。
7人制ラグビーでの五輪金メダル経験を持ち、15人制でもウイングとして驚異的なスピードと勝負強さを誇る。
観客を魅了するプレースタイルは、まさに女子ラグビーのアイコン的存在である。
イングランドでは、スタンドオフのエミリー・スカーラットが健在で、ゲームコントロールと正確なプレースキックでチームを牽引する。フ
ランス代表からは、フィジカルと展開力を兼ね備えたバックス陣が注目され、特にガエル・エルメは世界最高峰のフルバックと評価されている。
一方、日本代表では、FWの要として南早紀が力強いスクラムとタックルで存在感を発揮する。
また、BKでは桑井亜乃の突破力と経験が鍵を握る。
さらに若手選手の台頭にも期待がかかり、日本チーム全体として「世界の舞台で通用する個人技」を示すことが求められる。