夜の街を歩いていると、ふと耳に残るような音楽があります。
光の粒が漂うようなサウンド、でもどこか切なくて温かい。
そんな空気感を届けているのが、シアトル出身のアーティスト「Sea Lemon」。
彼女の音楽は、いま世界中で静かに広がりを見せています。
1. Sea Lemonとは?
Sea Lemonは、アメリカ・シアトルを拠点とするNatalie Lew(ナタリー・ルー)のソロプロジェクトです。
彼女はもともとインディシーンから活動を始め、2022年にEP「Close Up」をリリース。
そこから少しずつ評価を高め、2025年5月には待望のフルアルバム「Diving for a Prize」を発表しました。
ジャンルとしてはドリームポップやシューゲイズに分類されます。
特徴的なのは、透明感のあるボーカルにエフェクトの効いたギターを重ね、海のように広がる音像をつくりあげていることです。
デス・キャブ・フォー・キューティーのフロントマンBenjamin Gibbardとのコラボ曲「Crystals」なども話題を集め、シアトルの音楽シーンにおける注目株となっています。
2. Sea Lemonの”音楽性”
Sea Lemonの音楽を聴くと、まず印象に残るのは「光と影のコントラスト」です。
ポップなメロディーラインは耳に心地よく、キャッチーですぐに覚えられる。
一方で、歌詞や音の奥行きにはノスタルジックな余韻が漂っています。
この二面性は、彼女が幼少期から海や自然に惹かれてきた背景とも関係があります。
海辺の潮騒や波のリズムのように、心を落ち着かせながらも少しだけ不安を呼び起こす。
まさに「ドリームポップ」という言葉がしっくりくるサウンドです。
シアトルといえばグランジの聖地ですが、近年はドリームポップやベッドルームポップの新しい流れも強まっています。
Sea Lemonはその最前線で、自分の色を持ちながらもシーンを押し広げている存在といえるでしょう。
出典:KEXP