私たちが暮らす社会は、静かに、しかし確実に変わりつつあります。
特に「高齢化」と「人口減少」は、日本の未来に直結する大きな課題です。
その一方で、テクノロジーの進化によって希望の光も見えてきました。
今回は、“福祉×未来技術”の最前線をのぞいてみましょう。
1.なぜいま福祉が「未来型」なのかがわかる
日本では2025年、高齢者人口が約3,773万人に達すると見込まれています。
これは総人口の約30%にあたり、社会保障の持続性が問われるレベルです。
さらに75歳以上の後期高齢者だけで見ても、2,000万人を超える時代に突入。
同時に介護や医療の人手不足は深刻化し、制度だけではもう回らない現実が迫っています。
そこで注目されているのが、ロボットやAI、センサーなどを活用した「未来型福祉プロダクト」。
人の手だけに頼らず、テクノロジーで日常生活を支える発想です。
ちょっと前ならSFだった話が、今では特別養護老人ホームや在宅介護で実用化され始めています。
「まだ先の話」と思っていた人こそ、もう一度今の状況を見直してみると発見があるかもしれません。
2.どんな技術が現場で使われているのかがわかる
介護ロボットと聞くと人型ロボを想像する人も多いかもしれません。
ですが実際には、移乗支援ロボや排泄支援ロボのように“パーツ特化型”が主流です。
たとえば「マッスルスーツEvery」は、腰への負担を大幅に軽減するウェアラブルロボット。
介護士の腰痛対策として急速に普及しています。
また、高齢者の自立支援では、AIを活用した「見守りセンサー」や「徘徊検知システム」も登場。
離れて暮らす家族の安心感を支える役割も果たしています。
最近では、デジタル・ツイン技術を用いて、高齢者の行動パターンを3Dで可視化する試みも始まりました。
この技術により、転倒リスクの予測や生活改善のアドバイスが可能になります。
「誰かが見てくれている安心感」と「プライバシー尊重」の両立が求められる中、こうした技術が期待されています。