AGIが全くない世界になったらどうなる?AIによるシミュレーション

SNOW

2025-09-25


夜の街角にネオンがともり、人々は手元のスマホに夢中です。

どこを見てもAIの広告やサービスが並び、便利さが当たり前になっています。

しかし、もし未来に「AGI(汎用人工知能)」が存在しない世界だったらどうでしょうか。

私たちの暮らしや社会は、まったく違う姿をしているかもしれません。

1. AGIがない社会で見える「限定的なAI」

AGIが存在しない世界では、現在のAIが持つ「特化型の能力」だけが進化していきます。

画像認識や音声処理、チャットボットのような分野は発展しても、全領域を横断する知能は現れません。

たとえば医療では「画像診断AI」は高度化するものの、診断から治療方針決定までを統合的にこなす存在は生まれません。

物流や交通でも、自動運転は一部の条件下に限定され続け、完全無人化は遠い夢のままです。

数字で見れば、2025年現在でもAI市場の約9割は「特化型AI」によるものと報告されています。

これは逆に言えば、AGIの存在なしでも一定の経済規模は十分に拡大し続けるということです。

でも心のどこかで、「やっぱり万能のAIがあったら」と想像したくなるのが人間らしさではないでしょうか。


2. イノベーションのスピードはどう変わる?

AGIがなければ、技術革新は「段階的」に進みます。

スマホの進化が毎年少しずつ性能アップしていったように、AIも専門分野ごとの改善を積み重ねていくことになります。

一方で、AGIがある世界では「異なる分野をつなげる爆発的な革新」が期待されます。

たとえば医療AIと教育AIを組み合わせて、子どもの健康状態に合わせた学習カリキュラムを自動設計する、といった未来です。

AGIがなければ、このような“横断的な組み合わせ”は人間が担わざるを得ません。

つまり、研究者やエンジニア、現場の人々の創意工夫が引き続き大きな役割を果たすのです。

その分、技術の発展スピードは「人間の思考速度」に縛られることになります。

これは安心材料でもあり、もどかしさの源でもあると言えます。


出典:大人の学び直しTV