朝の光が差し込むカフェで、静かにページをめくる姿を想像してみてください。
そこに置かれた一冊の本が、あなたの「愛」への考え方を変えてしまうかもしれません。
エーリッヒ・フロムの『愛するということ』は、まさにそんな一冊です。
彼は「愛は感情ではなく、学び育てるべき技術だ」と語りました。
1. フロムとはどんな人物?
エーリッヒ・フロム(1900–1980)は、ドイツ生まれの社会心理学者であり哲学者です。
フランクフルト学派に属し、ナチスの台頭を逃れてアメリカに渡った人物でもあります。
心理学だけでなく社会学や倫理学を横断的に探求し、「愛」と「自由」を人間理解の核心に据えました。
代表作『自由からの逃走』(1941年)では、人々が自由を求めながらも不安から権威に従う矛盾を分析しました。
その後『愛するということ』(1956年)で、愛を「幸福の源泉であり、訓練されるべき技術」として位置づけたのです。
2. 愛は感情ではなく「技術」である
フロムは「愛は落ちるものではなく、育てるもの」と述べました。
恋に落ちる瞬間の情熱は誰でも経験できますが、それを持続させるには努力と理解が必要だと説いたのです。
例えば、ギターを弾けるようになるには練習が欠かせません。
同じように、愛する力も訓練と実践があって初めて成長する。
彼にとって愛は偶然ではなく、日々の意識と行動で磨かれるスキルでした。
この考え方は現代にも響きます。
SNSでつながるだけでは関係は深まらず、時間や思いやりを投資することで初めて信頼が育つ。
そんな実感を持つ人も多いのではないでしょうか?
出典:フェルミ漫画大学