「頼みたいけれど、断られたらどうしよう」と、胸の奥で小さな不安がざわつく瞬間があります。
そんなとき、人は自然と一歩を踏み出すのをためらってしまいます。
でも、もし「断られること」を少しずつ受け入れられるようになったら、世界の見え方はきっと変わっていくでしょう。
ここでは、話題の「リジェクション・セラピー」について、誤解のないように、正しい方法や考え方をご紹介します。
リジェクション・セラピーとは
始めた人たち
リジェクション・セラピー(英:Rejection Therapy)は、意識的に「断られる経験」を積むことで、拒絶に対する恐怖や不安を減らすための自己訓練の方法です。
この考え方を広めたのは、カナダの起業家 ジェイソン・コムリー(Jason Comely) 氏。
その後、起業家 ジア・ジアン(Jia Jiang) 氏が100日間連続で「断られる挑戦」を行い、その体験を『Rejection Proof』という書籍にまとめたことで、世界中に知られるようになりました。
トレーニングの概要
心理学的に見ると、リジェクション・セラピーは「暴露療法(エクスポージャー療法)」の要素を持っています。
不安を感じる状況に段階的に慣れることで、恐怖心をコントロールしていく訓練です。
ただし、心身の状態が不安定なときは、専門家の助言を受けることが望ましいとされています。
リジェクション・セラピーの進め方
小さな「断られ」を設計する
最初から難しい挑戦をしてしまうと、心が折れてしまうことがあります。
最初は、少しだけ勇気が必要なお願いから始めてみましょう。
- スーパーで「袋はいりません」と言う
- カフェで「ミルクをもう少しもらえますか?」と頼む
- 駅で知らない人に「この道を教えてください」と声をかける
こうした小さな挑戦を積み重ねることで、「断られても大丈夫」という感覚が育ちます。
意味のある「断り」に挑戦する
慣れてきたら、もう少し勇気のいる場面にも挑戦してみましょう。
- 同僚にちょっとした手伝いを頼む
- ランチに誘ってみる
- 会議で質問をしてみる
断られたときの気持ちや、その後の自分の反応を観察しておくと、成長を実感しやすくなります。
振り返りと記録を残す
断られた体験を、日記のように記録してみましょう。
- どんなお願いをしたのか
- 相手の反応はどうだったか
- そのとき自分がどう感じたか
記録を続けることで、自分の行動パターンや感情の変化が見えてきます。
これは次の挑戦に向けた大きなヒントになります。
継続して挑戦する
リジェクション・セラピーは継続することで効果が現れます。
世界的に有名な「100日チャレンジ」はその代表例です。
いきなり100日は難しくても、「30日間だけ続けてみる」でも十分効果があります。
続けること自体が、自信や行動力のトレーニングになります。
出典:TED