部屋の壁に棚をつけようとしたとき、思わずネジを強く押し込み、コツンと音を立てて穴があいてしまう。
その瞬間、「これ、退去のときに費用を取られるのでは?」と不安になる方は多いと思います。
小さな穴でも、放置すれば原状回復の対象になる場合もあります。
この記事では、賃貸住宅でネジ穴を開けてしまった場合の補修費用や対処法を、最新の情報をもとにわかりやすく解説します。
ネジ穴と原状回復の基本
ネジ穴は「通常使用」に含まれる?
- 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、入居者には「通常の使用による損耗や汚れ」を修繕する義務はありません。
- 画びょう程度の小さな穴であれば、通常使用の範囲とみなされ、修繕費を請求されないことが多いです。
- ただし、ネジ穴は画びょうよりも大きく、壁の下地まで傷ついている場合は「通常使用を超える損耗」と判断され、借主負担になる可能性があります。
壁の構造とネジ穴の関係
- 多くの住宅では、石膏ボードの上に壁紙(クロス)が貼られています。
- ネジを打つと、クロスだけでなく石膏ボードにもダメージが生じることがあります。
- ボードに割れや欠けが生じている場合、部分補修では済まず、クロスの張り替えや下地の修復が必要になることもあります。
ネジ穴補修の費用目安
ネジ穴の補修費用は、穴の大きさや深さ、補修の方法、地域によって異なります。以下は、一般的な相場の目安です。
小さなネジ穴(直径3〜5mm程度)
- パテ埋めや部分的なクロス補修で対応できる場合は、1,000〜5,000円程度が相場です。
- 下地まで損傷している場合は、業者補修で約5,000円前後になることがあります。
- エアコンの取り付け跡などの場合も、同程度の費用が目安です。
中程度の穴(直径5〜10cm程度)
- 下地の補修とクロス貼り替えを行う場合、1万円〜3万円前後が一般的です。
- 業者によっては、1箇所あたり10,000〜17,000円の見積もりになることもあります。
- 穴が複数ある場合は、その分費用が上乗せされます。
大きな穴(直径10〜20cm以上)
- クロス貼り替えやボード交換を伴う場合、2万〜5万円程度が目安です。
- 穴が重なっていたり、広範囲にわたる場合は5万円以上になることもあります。
- 壁一面のクロス張り替えを行うと、4万〜7万円の費用がかかることもあります。
業者ごとの相場感
- 小さな穴や凹みの補修で1箇所10,000円前後という料金設定が多いです。
- 下地まで破損している場合は、15,000〜25,000円程度が目安です。
- リフォーム系の比較サイトでは、小規模修理20,000〜40,000円、大きな修理30,000〜50,000円という事例も見られます。
出典:えはみのDIYと暮らし