画面の位置を調整するのはよく言われることですが、実は「角度」もとても大切です。
たとえば、画面が少し見下ろす位置にあっても角度が水平または下向きだと、無意識のうちに「下から覗き込む」ような姿勢になってしまいます。
逆に、画面の角度をやや上向きにすることで「上から覗き込もう」とする動きが自然に生まれ、背筋を伸ばした姿勢を保ちやすくなります。
ここでは、最新の研究や実体験をもとに、画面の角度が姿勢に与える影響と、その実践ポイントを整理していきます。
なぜ画面角度が姿勢に影響するのか
モニター角度と首・肩・背中の負担
ノートパソコンの使用環境を比較した研究では、画面をやや後ろ向き(およそ130°)に傾けたとき、首や肩の不快感が少なかったという結果が出ています。
また、2024年の報告によると、モニターの高さや角度を定期的に変化させる「動的な設置」の方が、背中を丸めた姿勢になりにくいこともわかっています。
このように、角度や高さの調整は筋肉や関節への負担を軽減し、姿勢の安定にもつながると考えられています。
視線角度と「覗き込み」動作の関係
画面が目線より少し低く、角度が水平または下向きだと、文字を見やすくしようとして頭を前に出す姿勢になります。
一方で、画面をやや上向きに傾けると、自然と「上から覗く」ような動きになり、背中が丸まりにくくなります。
目線の高さは水平線から少し下向き(約15度)程度が最も快適とされており、この角度を基準に傾斜を組み合わせることで、より自然な姿勢が保ちやすくなります。
デスクワーク・ゲーム環境における実践ポイント
モニター傾斜(チルト)の設定
- モニターを少し上向き(後方に傾ける)にしてみてください。
- 角度を130°前後にすると、首や肩の負担が軽くなる傾向があります。
- 高さだけでなく、モニター台やスタンドで傾きを微調整できる環境を整えるのが理想的です。
目線・画面位置・距離の組み合わせ
- 画面の中心は目線より少し下にくるように設定します。
- 目線から下向き約15度の角度が快適とされています。
- 画面までの距離は腕を軽く伸ばしたくらい(およそ40~75cm)が目安です。
- これらに加えて、画面をやや上向きにすることで姿勢がより安定します。
オンラインゲームの場合
- 長時間のプレイでは集中しすぎて前傾姿勢になりがちです。
- 高さや角度を細かく調整できるゲーミングモニターを活用しましょう。
- 覗き込みを防ぐ角度設定を意識することで、首や肩の疲労を軽減できます。
よくある疑問とその整理
「水平が一番良いのでは?」という考え方
水平な画面は一見自然ですが、首を前に倒す姿勢になりやすく、疲れやすいことがあります。
研究でも、少し上に傾けた方が快適であることが確認されています。
「上向きすぎると疲れない?」という心配
目線より上に画面があると、逆に目や首に負担がかかります。
あくまで「やや上向き」程度がポイントで、目線より少し下に画面上部が来る位置が理想です。
複数モニターを使う場合
メイン画面だけでなく、サブモニターの角度や位置も意識しましょう。
左右の画面をやや内側に向けることで、首をひねる動作を減らすことができます。