窓の外では、雨粒が静かにガラスを叩く、部屋の明かりは控えめで、ただ一人、ヘッドホンをつけて座る時間。
その瞬間、思わず「誰だろう」と耳を澄ませた方も多いのではないでしょうか。
インディー・フォークとドリームポップの世界で独自の存在感を放つバンド、Daughter(ドーター)。
今回は、その圧倒的な歌唱力と音楽的魅力を、最新情報とともにご紹介いたします。
Daughterという存在と歩み
メンバー構成と背景
Daughterは、イギリス・ロンドンを拠点に活動する3人組のバンドです。
メンバーは以下の通りです。
- Elena Tonra(エレナ・トンラ):ボーカル、ギター、作詞作曲
- Igor Haefeli(イゴール・ハーフィー):ギター、プログラミング、キーボード
- Remi Aguilella(レミ・アギレラ):ドラム、パーカッション
エレナさんは自身のソロプロジェクト Ex:Re(エクスレ) でも活動しており、こちらも高く評価されています。
バンドは2010年ごろに本格的に活動を開始し、EPやアルバムを重ねるごとに世界的なファンを増やしてきました。
リリースと最新の動き
- 2023年4月:3rdアルバム 『Stereo Mind Game』 をリリース。
この作品では、エレナさん以外のメンバーがボーカルを担当する楽曲も含まれています。 - 2025年1月:新作EP 『Middle Farm Session』 をストリーミングで公開。
- 2025年10月現在:新しいコンサート日程は発表されていません。
ライブ活動よりも、作品制作を中心にペースを保ちながら活動しているようです。
圧倒的な歌唱力とその表現
声の質と表現力
Daughterの魅力の中心には、やはりエレナさんの「声」があります。
力強い高音や派手なテクニックではなく、余白・息づかい・音の消え際 で心を動かすタイプの歌唱です。
一音一音の揺らぎや、声がかすかに震える瞬間。
それらを大切に積み重ね、聴く人の心を静かに揺らします。
「うまい」というより、「心を震わせる」歌声といったほうがしっくりくるかもしれません。
音楽性と構成
Daughterの音楽は「インディー・フォーク」と「ドリームポップ」を掛け合わせたようなスタイルです。
アコースティックな響きを軸に、リバーブやエレクトロサウンドを繊細に重ねたサウンドが特徴です。
楽曲の多くは、“静かなイントロ → 感情の波 → 余韻を残すエンディング”という構成になっています。
派手な展開ではなく、静けさの中に力強さがある音楽です。
歌詞には「孤独」「喪失」「再生」「記憶」など、人生の中で誰もが一度は向き合うテーマが丁寧に描かれています。
出典:KEXP