サッカー戦術を理解する1STステップ|初心者にもやさしい戦術トレンドと『黄金則』変遷の歴史

SNOW

2025-11-14

サッカー観戦やプレーをもっと楽しみたい初心者の方に向けて、この記事ではサッカー戦術の「黄金則」から歴史的な背景、そして2025年現在の最新トレンドまでをわかりやすく整理します。

専門用語もできるだけやさしく言い換えていますので、初めての方でも理解しやすい内容です。

この記事では、「なぜこのフォーメーションが使われるのか」「今どんな戦術が流行しているのか」を知ることができます。

サッカーの見え方が大きく変わります。

戦術とは何か・黄金則への入口

戦術の定義と重要性

サッカーにおける戦術とは、チームが「どこでどう動くか」「ボールをどう扱うか」「相手にどう対応するか」を決めた仕組みのことです。

つまり、戦術は試合を進めるための“設計図”のようなものです。

この設計図があることで、選手たちはバラバラに動かず、チームとして一体となってプレーすることができます。

戦術を理解できるようになると、試合を「流れ」ではなく「構造」で見ることができ、観戦の深さが一段と増していきます。

いつの時代にも通じる3つの基本原理

戦術は時代やチームによって変化しますが、どんなスタイルにも共通して通じる「黄金則」があります。
次の3つを意識すると、サッカーの基本構造が見えてきます。

  • ボールを失ったら、すぐに奪い返すか、守備の形を整えて備える。
  • ボールを持ったら、空いているスペースを使い、相手を動かして守備を崩す。
  • 攻撃と守備で構え方(フォーメーション)を柔軟に変える。

この3つを理解するだけでも、「なぜその動きを選んだのか」が分かるようになります。


サッカー戦術の歴史をたどる

伝統的なフォーメーションの変化

サッカーの戦術は、初期の「1-1-8」「2-3-5」など極端な攻撃型フォーメーションから始まり、時代とともに進化してきました。

1950年代にはイタリアで「カテナチオ(5-3-2)」という守備重視のスタイルが流行し、堅い守備からカウンターで得点を狙う戦い方が主流になりました。

1970年代にはオランダ代表が「トータルフットボール」を掲げ、ポジションに縛られず選手全員が流動的に動くスタイルを確立します。

このように、戦術はその時代の技術や選手の特徴によって形を変えながら発展してきました。

所有から支配へ、支配から圧力へ

2000年代には、ボールを保持しながら試合を支配する「ポジショナルプレー」が注目されました。
パスをつなぎ、位置を入れ替えながら相手を崩す戦術で、支配率を高めて試合をコントロールします。

一方で2010年代以降は、攻守の切り替えを重視する「ゲーゲンプレス(奪って即攻撃)」がトレンドに。
ボールを失った瞬間に全員でプレスをかけ、奪い返してから一気にゴールを狙うスタイルが広がりました。

サッカーは「支配」から「圧力」へと進化してきたのです。

歴史から見えてくる黄金則との繋がり

この流れを振り返ると、どの時代の戦術にも先ほどの黄金則が息づいています。

トータルフットボールは「スペースを使って相手を動かす」原理、ゲーゲンプレスは「ボールを失ったらすぐに奪い返す」原理そのものです。

つまり、戦術の本質は変わらず、時代ごとにその解釈や形が進化しているのです。


現代戦術のトレンド解説(2025年時点)

リキッドフォーメーションとハイブリッドロール

2025年現在のサッカーでは、フォーメーションが試合中に流動的に変化する「リキッドフォーメーション」が主流になっています。

例えば、守備時は4-1-4-1で構えていても、攻撃時には3-2-5の形に変えるなど、状況に応じて自由に変化します。

また、1人の選手が複数の役割をこなす「ハイブリッドロール」も一般的になり、ウイングバックが中盤に入るなど柔軟な戦い方が増えています。

トランジション(攻守の切り替え)の高速化

攻守の切り替えがより速くなったのも、現代戦術の大きな特徴です。

特にボールを奪った直後の数秒間が勝敗を左右するとされ、データ上でも“奪取から5秒以内の攻撃”による得点が増えています。

一瞬の判断と連携が求められるため、攻撃と守備を明確に分けずにプレーする選手が重宝されています。

セットプレーの再評価

近年、コーナーキックやフリーキックといったセットプレーからの得点が増えています。

プレミアリーグでは、2025年シーズンにおけるセットプレー経由の得点率が約18%を超え、過去最高水準に達しました。

データ分析の進化により、セットプレーが戦術の一部として緻密に設計される時代になっています。

押さえておきたい現代戦術の用語

  • ポジショナルプレー:定められた位置を保ちながら、連携で相手を崩す戦術。
  • ゲーゲンプレス:ボールを失った瞬間にチーム全体でプレスをかけ、奪い返す考え方。
  • リキッドフォーメーション:試合中にフォーメーションを柔軟に変える戦術。
  • トランジション:攻守が入れ替わる一瞬の切り替え。
  • ハイブリッドロール:複数のポジションを兼ねる役割を担う選手のこと。

出典:DK FALCON