静かな夜に、イヤホンを耳に入れると世界が変わる瞬間があります。
Attic Ocean の音楽は、まさにその入り口のような存在です。
ギターのきらめきと声の溶け合いが、遠くの海を想像させてくれます。
まだ名前を知らない人も多いですが、注目すべき新鋭バンドです。
1.Attic Oceanとはどんなバンドか
Attic Ocean はドイツ・デュッセルドルフを拠点に活動する5人組のバンドです。
ジャンルはドリームポップとシューゲイズ。
90年代のシューゲイザーやインディーロックから影響を受けつつ、現代的なセンスで仕上げています。
2024年10月にはEP『Retriever』をリリースしました。
その中の「Lilies and Sea」のMVは東京で撮影されており、グローバルな視野を持つバンドであることが伝わってきます。
このEPのマスタリングを担当したのは、シューゲイズの名門バンド Slowdive のサイモン・スコット。
シーンを代表する存在との接点があることからも、彼らの音楽性への期待感が高まります。
2.サウンドの特徴と魅力
Attic Ocean の音楽は、厚みのあるギターサウンドと幽玄なボーカルが中心です。
歌詞の意味を直接追うより、音のレイヤーに包まれる感覚を楽しむスタイルです。
まるで海辺に立って、波の音に意識を溶かしていくような体験に近いものがあります。
シューゲイズという言葉自体、ライブでエフェクターを操作し続ける様子から生まれた言葉です。
つまり「音で空間を描く」ジャンルなのですが、Attic Ocean の場合はさらにドリームポップ的な透明感が加わります。
そのため、轟音だけではなく柔らかい浮遊感が同居しているのが大きな魅力です。
ドイツのバンドらしく構築的でありながら、感覚的にはとても人肌に近い。
深夜に聴くと落ち着き、朝に聴くと新しい一日が始まるような軽やかさもあります。
聴く人の心情やシーンに寄り添ってくれる音楽だと感じます。
出典:Attic Ocean