ロサンゼルス発の4人組バンド Rocket が、90年代グランジやオルタナティブロックの空気をまとって登場しています。
結成は2021年、幼なじみ同士で作り上げたサウンドには「懐かしいのに新しい」独特の感覚があります。
2025年10月にはデビュー・アルバム『R Is for Rocket』をリリースし、その勢いはさらに加速しています。
この記事では、彼らの成り立ちや音楽性、最新情報、そして私自身の所感までを丁寧に掘り下げていきます。
成り立ちとメンバー紹介
バンドの誕生背景
Rocket は2021年、アメリカ・ロサンゼルスで正式に結成されました。
メンバーは、ボーカル兼ベースのアリシア・タトル、ギターのデジ・スカリオーネとバロン・リンツラー、そしてドラムのクーパー・ラドメイドの4人です。
メンバー全員が幼少期からの友人であり、高校時代から音楽を通じて交流を深めてきました。
この“友情バンド”という背景が、Rocket の温かみと一体感を生んでいます。
プロジェクトの立ち上げと初期活動
結成当初は「楽しく演奏しよう」という軽い気持ちでスタートしましたが、やがて音楽制作に本格的に取り組むようになります。
自主スタジオでのレコーディングやセルフプロデュースを行うなど、DIY精神が際立っていました。
2023年には初のEP『Versions of You』を発表。
この作品をきっかけに、Rocket は一気に注目バンドの仲間入りを果たしました。
音楽スタイルと90年代グランジとの関係性
サウンドの特徴
Rocket の音楽は、90年代のギターロックやグランジの影響を色濃く受けながらも、現代的な感覚をしっかり備えています。
デビュー・アルバム『R Is for Rocket』では、ざらついたギターサウンドに加え、タイトなリズムと浮遊感のあるボーカルが印象的です。
ローファイながらも緻密に構築された音の層が、聴くたびに新しい発見を与えてくれます。
90年代バンドとの比較と独自性
Rocket が影響を受けたと語るのは、Sonic Youth や My Bloody Valentine などのアーティストです。
しかし彼ら自身は「グランジやシューゲイザーの枠にとらわれたくない。あくまで“ロックバンド”でありたい」と語っています。
つまり、Rocket は90年代の美学を借りながらも、あくまで“今の感性”で鳴らすことを重視しているのです。
懐かしさと新しさの境界を曖昧にすることで、彼ら独自の音楽世界を作り上げています。
出典:Rocket