80歳で10kmマラソン=サブ60(60分以内で走る)を達成するためのトレーニング

SNOW

2025-12-05

80歳で10kmを60分以内に走る。

こう聞くと、多くの方が「さすがにそれは難しいのでは」と感じるかもしれません。

ところが、実際にはこの記録を達成している方が確かに存在していて、適切に練習を積めば目指すことは十分に可能です。

この記事では、80代でもサブ60を狙うために必要な体づくりの考え方や練習の方法を、最新の知見も交えながら、やさしい言葉でまとめていきます。

健康と体力の土台を整えるということ

まず大切なのは、安心して走れる体の状態を確認しておくことです。

特に80代の場合は、心臓や血圧、血糖などの状態を定期的に医師に確認しておくことで、トレーニングを安全に続けやすくなります。

安静時の心拍数が60〜75ほどであれば持久力の下地が整ってきている目安になりますし、10分ほどの速歩きで呼吸が乱れすぎないかどうかもチェックのポイントになります。

また、週に1時間ほどの軽い運動が無理なくできる状態であれば、ランニングに向けた準備が整ってきていると言えます。

普段から関節の違和感に気を配り、睡眠をしっかり取ることや体重を適正に保つことも、長く走るための基本となります。


サブ60達成に必要な走力について

10kmを60分以内で走るには、1kmあたり6分のペースを維持する必要があります。

これは、80代のランナーとしてはかなりしっかりした走力が求められるペースになりますが、現実に達成している方がいることを考えると、決して不可能な数字ではありません。

参考として、70代後半〜80代ランナーの10kmの一般的なタイムは70〜80分ほどと言われています。

1km6分のペースを保つためには、VO2maxが30〜35 ml/kg/minほどあることが目安となり、週に3〜4日の練習を継続することで、このレベルに近づいていくことができます。

歩幅を大きくしようとすると負担が増えてしまうため、年齢を重ねるほどリズムを大切にした走り方が合っています。

ケイデンス、つまり足の回転数が170前後を意識できると、体への負担を抑えながらスムーズな走りにつながります。


トレーニング計画について(週3〜4日が目安)

80代で大切なのは「無理なく続ける」ことです。

つい頑張りたくなる気持ちはありますが、少し余裕を残す練習のほうが長く続き、結果として走力が伸びやすくなります。

週に2回ほどは、30〜45分のゆっくりしたランニングを取り入れると良いです。

息が切れず、会話ができるくらいのペースで十分で、心肺の土台を作るうえでとても効果的です。

週に1回は、1kmを6分40秒〜7分くらいのペースで3〜5kmを走る練習を行うと、サブ60に必要なスピードに「軽く触れる」ことができます。

距離は無理に伸ばす必要はなく、調子がよい時に少しずつ増やす程度で問題ありません。

隔週で、400mを少し速めに走るインターバルを3〜4本ほど入れてみると、心肺に良い刺激が入ります。

ただし体調が万全の日だけで十分です。

週に1回ほど、60〜90分の散歩を取り入れるのもおすすめです。

膝に優しく、運動時間をしっかり確保できるので、トレーニングとしても非常に優秀です。


出典:読売テレビ