登山と身体の科学|パフォーマンスを最適化して98歳まで現役でいるための読書感想文

SNOW

2025-12-07

登山は昔から信仰や行楽として親しまれてきたスポーツです。

日本には四季があり、個性的な山が多く、自然と触れ合う喜びがあります。

ただ、膝や腰の痛み、事故の不安がつきまとうのも事実です。

この記事では、最新の運動生理学を踏まえながら、登山と身体の科学をやさしく解説します。

はじめに

登山は自然・健康・仲間とのつながりを得られる素晴らしい活動です。

しかし、痛みや不安があると楽しみが半減します。

身体の仕組みと登山の特徴を知ることで、年齢を重ねても安全に楽しく続けることができます。

ここでは、読書を通じて学んだ知見をもとに、登山の魅力と身体の科学を整理していきます。


登山の特徴と身体への影響

登山は平地のウォーキングと違い、上り下りを伴います。

そのため、心肺機能だけでなく筋力も総合的に使います。

特に大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋群の働きが大きいです。

平地歩行との違い

  • 平地では消費エネルギーが少なく、心拍数の上昇も穏やかです。
  • 登山では勾配が増えるほど心拍数が増え、最大酸素摂取量(VO₂max)の向上に寄与します。
  • 下山では制動筋(ブレーキをかける筋肉)が強く働きます。

このため、登山はウォーキングよりも約1.5〜2倍のエネルギー消費があると報告されています。


運動生理学を登山にあてはめる

運動生理学では、身体が負荷にどう適応するかを科学的に説明します。

登山に応用すると、効率よく体力をつけるためのヒントが得られます。

心肺機能の向上

登山中の平均心拍は平地歩行より20〜30%高いと言われています。

適度な負荷は心肺機能を押し上げ、持久力を伸ばします。

筋力強化のメカニズム

上りは筋肉の短縮性収縮、下りは伸張性収縮が多くなります。

これにより筋繊維の刺激が増え、筋肥大や筋持久力の強化につながります。

血糖・代謝への効果

登山を継続するとインスリン感受性が高まり、糖尿病の改善効果が報告されています。

実際に中高年登山者の約3〜4割が生活習慣病の改善を実感したという調査もあります。


登山のメリットと潜在的リスク

登山は健康増進に役立ちますが、やり方を誤ると痛みやケガのリスクがあります。

適切なフォームと負荷の調整が大切です。

改善が期待できる効果

  • 糖尿病の改善
  • 呼吸器機能の向上(軽度の喘息改善例)
  • 筋力・心肺の総合強化
  • メンタルヘルスの安定

自然の中を歩くことでストレスホルモンが低下し、リラックス効果も得られます。

気をつけるべきポイント

  • 急激な負荷増大
  • 膝・腰の痛み
  • 下山時のフォーム不良による関節ストレス

一方で、痛みが改善したという登山者も1〜2割存在します。

正しいトレーニングと知識があれば、登山は“プラスしかない”活動になります。


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