AIが進化し、「コーダーはもういらない」といった見出しを見かける機会が増えました。
ただ、現場で仕事をしていると、そこまで単純な話ではないと感じます。
この記事では、AIとコーディングの最新事情を整理しながら、エンジニアの仕事の本質について考えていきます。
AI時代に変わるものと、変わらないものを、データと実感の両面から見ていきます。
AIはコーダーをどう変えたのか
AIによるコード生成ツールは、ここ数年で一気に普及しました。
GitHub Copilotのような補助ツールを使い、コードを書くスピードが大きく向上したという声は珍しくありません。
実際、プロの開発者の半数以上が、日常的にAIツールを使って作業を効率化しているというデータもあります。
これは一時的な流行ではなく、AIが開発作業の一部を担う段階に入ったことを示しています。
ただし、AIがすべてのコードを書いてくれるわけではありません。
AIが生成したコードは、人間が確認し、修正し、意図どおりに動くかを判断する必要があります。
この工程が省略できない点は、現時点でも変わっていません。
コーダー不要論はどこまで本当なのか
「AIでコーディングは不要になる」という話は、かなり刺激的です。
結論から言えば、部分的には当てはまりますが、全面的な事実ではありません。
多くの調査では、ルーティン的なコーディング作業はAIに置き換わる可能性が高いとされています。
一方で、ソフトウェア開発そのものの仕事が消えるわけではない、という見方が主流です。
2040年ごろにはAIが多くのコードを書くようになる、という予測もあります。
ただし、これはあくまで可能性の話であり、確定した未来ではありません。
また、現役エンジニアの多くは、AIが自分の仕事を完全に奪うとは考えていない、というデータもあります。
「すべて終わる」という話は、やや誇張が強い印象です。
AIが変える職種と変わらない仕事
AIが特に影響を与えているのは、ルーティン業務や初歩的なコード作成です。
仕様書どおりに書くだけの作業は、自動化が進みやすい領域だと言えます。
一方で、次のような仕事は、今も人間のエンジニアが担っています。
- システム全体の設計やアーキテクチャ設計
- ビジネス要件と技術仕様をつなぐ調整
- チームやプロジェクト内のコミュニケーション
- 問題の本質を見抜き、解決策を考える力
AIは、決められたパターンを繰り返すことが得意です。
しかし、「何を作るべきか」を決める工程は、人間の役割として残っています。
出典:しまぶーのIT大学