全体チャットでの間違い指摘は、一見すると正しい行為に見えます。
しかし実際には、職場の信頼関係や生産性を静かに壊していく原因になることが多いです。
本記事では、なぜまともな会社ほどこの行為を避けているのかを整理します。
現場経験を踏まえつつ、データと構造の両面から解説します。
Contents
全体チャットでの指摘が増えている背景
リモートワーク普及による可視化の加速
リモートワークの普及により、業務連絡の多くがチャットに集約されました。
SlackやTeamsなどでは、発言が全員に可視化される前提で設計されています。
総務省の調査でも、テキストコミュニケーション比率はコロナ前比で約1.6倍に増加しています。
その結果、注意や指摘も「つい全体で」行われやすくなっています。
正しさが評価されやすい空気
チャットでは、早く・端的に・正確に返す人が目立ちます。
間違いを見つけて即指摘する行為は、能力が高そうに見えがちです。
この「正しさ=貢献」という錯覚が、全体指摘を助長します。
なぜ全体チャットでの指摘は問題になりやすいのか
心理的安全性を下げる
Googleの有名な調査では、成果の高いチームの共通点として心理的安全性が挙げられています。
全体チャットでの指摘は、発言者以外にも萎縮を生みます。
「次は自分かもしれない」という空気が、挑戦的な発言を減らします。
ミスの修正効率が下がる
恥をかかされたと感じた人は、防御的になります。
その結果、素直な修正や相談が減ります。
短期的には正しくても、長期的には修正コストが増えます。
まともな人がやらない理由
指摘と是正を分けて考えている
成熟した組織では、全体共有は事実、修正指示は個別と役割を分けています。
場に応じて伝え方を変えるのは、マナーではなく設計です。
マネジメントがリスクを理解している
全体指摘は、離職リスク、信頼低下、チーム分断にもつながりやすいです。
まともな会社ほど、こうした見えにくいコストを重視します。
全体チャットで指摘してしまう人の思考パターン
悪意がないケースが多い
多くの場合、本人は善意で行っています。
「早く直したい」「みんなのため」という意識があります。
しかし、影響範囲の想像が抜けています。
自分は安全圏にいるという無意識
指摘する側は一見、その場で失うものが少ないです。
一方、指摘される側は評価や立場に影響します。
この非対称性が、関係性を歪めます。
出典:アバージェンスマネジメント研究所 – AIM / CRH