心理カウンセラーが活躍する職場の2026最新事情|需要が急増するかもしれないシリーズ#01

SNOW

2026-01-31

AI時代に変わる「相談の入口」と人間カウンセラーの役割

2024年以降、AIを使ったメンタルヘルス支援ツールが一気に増えました。

瞑想アプリやセルフケアアプリ、ストレス状態をチェックしてくれるAIコーチなど、企業向けのサービスもたくさん出ています。

一方で、「AIチャットボットをセラピスト代わりに使うこと」には世界的に強い懸念も出ています。

イギリスの公的医療機関や各国の専門家は、AIが危機的状況にうまく対応できなかったり、誤った助言をするリスクを何度も指摘しています。

アメリカの一部の州では、AIチャットボットを人間のセラピー代替として使うことを制限する法律も登場しました。

こうした流れから見えてくるのは、「AIは入り口や補助としては便利だけど、専門的な支援の中心は人間が担い続ける」という方向性です。

企業向けの健康経営レポートでも、AIはメンタル不調の早期検知やセルフケア支援に役立つ一方で、「複雑なケースや高リスクのケースは、必ず人間の専門職につなぐべき」とされています。

つまり、AIの普及は心理カウンセラーの仕事を奪うというより、「どこから人間にバトンを渡すか」を設計する役割を増やしているとも言えます。

AIが拾い上げた「気になるサイン」を人間のカウンセラーがきちんと受け止め、対話と関係性の中で支えていく。

この連携をうまく設計できる人材は、これからかなり重宝されるはずです。


これから伸びそうなフィールドと必要なスキル

2026年時点で、「これから需要が増えそうだな」と感じられる領域をいくつか挙げてみます。

  • ハイブリッドワーク企業でのメンタルヘルス支援
  • 中小企業向けの外部カウンセリングサービス
  • デジタルメンタルヘルスサービスとの連携ポジション
  • 若年層・デジタルネイティブ向けの相談窓口
  • 管理職・リーダー向けのメンタルヘルス研修とコーチング

こうした場で求められやすいスキルは、次のようなものです。

  • 傾聴や共感をベースにしたカウンセリングの基礎スキル
  • メンタルヘルスに関する基礎的な心理学・臨床知識
  • 組織やチームの構造を理解する力
  • オンラインツールやデジタルサービスへのリテラシー
  • 管理職や経営陣ともフラットに話せるコミュニケーション力

特に企業領域では、「個人の相談だけでなく、組織全体の空気や構造を見て、どこに手を入れると楽になるか考えられる人」が重宝されます。

カウンセリングの資格だけでなく、これまでの仕事経験やマネジメント経験が、そのまま強みになる世界です。


社会人経験が長い人ほど「カウンセラー適性」が出やすい

個人的な感想として、心理カウンセラーの仕事は、20代よりも30代後半〜40代以降のほうが「しっくり来る人」が多いと感じています。

理由はシンプルで、「人間関係のしんどさ」を自分自身もそれなりに体験してきているからです。

職場での板挟みや、理不尽さ、評価されないもどかしさなどを経験してきた人ほど、相談者の「言葉にしづらいモヤモヤ」に寄り添いやすくなります。

もちろん、単に年齢が高ければ良いという話ではありません。

自分の経験を押し付けず、「そう感じるのは無理もないよな」と一度受け止められるかどうかが大きなポイントです。

40代以降で心理カウンセラーの勉強を始める人は、最初は「今からでも遅くないかな」と不安になることが多いです。

でも、今の職場環境や社会の状況を見ていると、「むしろこれから本格的に必要とされるのは、この世代の落ち着いたカウンセラーでは」と感じる場面が増えています。

AIやデジタルツールは、たしかに便利です。

ただ、人の心が動く瞬間は、やっぱり「誰かにちゃんと聞いてもらえた」という体験のなかにあることが多いです。

その役割を担う人が増えることは、働く人にとっても、組織にとっても、じわじわ効いてくる「良い投資」だと思います。


出典:ABEMA Prime #アベプラ【公式】

まとめ

2026年のいま、心理カウンセラーを取り巻く環境は、静かですが着実に変化しています。

メンタルヘルス対策をする事業所は全体の6割を超えつつも、まだ十分に機能していない職場が多くあります。

ハイブリッドワークや人手不足、孤立感の高まりなど、ストレスの質そのものも変化しています。

AIやデジタルツールは「相談の入口」として広がる一方で、「最終的に人を支えるのは人」という認識も、各国の議論や規制のなかでむしろ強まっています。

企業内、医療・福祉、教育、行政、オンラインなど、心理カウンセラーが活躍できる場はすでに広がっており、これからさらに多様化していきます。

社会人経験が長い人にとっては、「これまでのキャリアを活かしながら、人の心を支える側に回る」という選択肢が、現実的なキャリアパスになりつつあります。

「需要が急増するかもしれない」というより、「静かに、でも確実に必要とされ続ける職業」になっていく。

この記事が、その一歩を考えるきっかけになればうれしいです。


参考

続・全体チャットで間違い指摘はやめたほうがいい理由|まともな人はやってないシリーズ#02