窓のない会議室、プロジェクターの光に照らされた同僚の顔、のっぺらぼうに見えたことはありませんか?
生身の人間でありながら、中身がデジタルデータの残滓(ざんし)に入れ替わってしまうという、現代の都市伝説。
今回は、働き方の闇に潜む「リアルテンプレート人間」と「Excelゾンビ」の正体に迫ります。
これはフィクションではありません。明日のあなたかもしれない話です。
Contents
虚無の代弁者「リアルテンプレート人間」
鏡合わせの定型文
彼らは、見た目はごく普通のビジネスパーソン、清潔なシャツを着て、丁寧に挨拶もします。
しかし、会話を始めた瞬間に「それ」は現れます。
- 「進捗については、概ねマイルストーンに沿って推移しております」
- 「ベターな着地点を模索し、シナジーを最大化させる所存です」
彼らの口から出るのは、血の通った言葉ではなく、「どこかの企画書からコピペしてきた定型文」のみ。
質問を重ねても、同じフレーズがループするだけ。
まるで、あらかじめ録音された音声を再生しているかのような違和感、「リアルテンプレート人間」です。
なぜ私たちは「鳥肌」が立つのか
心理学には「不気味の谷」という言葉がありますが、彼らに対しても同じことが言えます。
人間は対話の中で、相手の「意志」や「感情」を無意識に探ります。
しかし、テンプレート人間の中身は「空白」です。
反射だけで受け答えをするその空洞に触れたとき、脳は「これは人間ではない」と生存本能的なアラートを鳴らします。
その信号こそが、あのゾッとする鳥肌の正体なのです。
数値の檻に囚われた「Excelゾンビ」
セルの整合性に魂を売った者たち
もう一つの怪異が、データの海を彷徨う「Excelゾンビ」です。
彼らの世界は、行と列、そして計算式だけで構成されています。
彼らが守るのはプロジェクトの成功ではなく、「セルの色分け」と「数式の美しさ」です。
たとえ事業が赤字で火を噴いていても、合計値が一致し、グラフの見た目が整っていれば、彼らは満足げに微笑みます。
【戦慄のデータ】 国内の調査(管理職対象)では、なんと約6割が「資料作成に業務時間の30%以上を費やしている」と回答。さらに恐ろしいことに、そのうち約4割が「その資料の真の目的を説明できない」という、まさにゾンビ化した実態が浮き彫りになっています。
判断の空洞化
彼らに「この数字から何が言える?」と問うてはいけません。
彼らは計算はできますが、判断はできません。
数字という鎧を着込み、その中にあるはずの「責任」という実体を消滅させてしまったのです。
感染源は「怠惰」という名のウイルス
なぜ、これほどまでに増殖してしまったのか、それは現代社会が用意した巧妙な罠にあります。
考えることの放棄
AIの進化により、私たちは「正解らしきもの」を即座に手に入れられるようになりました。
「自分で考える」よりも「AIに出力させる」方が早く、しかも波風が立たない。
この快適さに甘んじた結果、脳の「思考回路」が徐々に退化し、最終的に自分自身の言葉を失ってしまうのです。
究極の責任回避
「テンプレート」や「データ」に従うことは、究極の安全策です。
なぜなら、失敗しても「自分ではなく、仕組みが間違っていた」と言い逃れができるから。
判断を放棄することは、自分を守る盾になります。
しかし、その盾を持ち続けるうちに、盾と肉体が癒着し、剥がれなくなってしまう。
それが「怠惰の罰」の始まりです。
出典:Mikey Channel