アートを見たとき、「作者は何を伝えたかったのか」と考えることはよくあります。
しかし、それだけにとらわれると、作品との個人的なつながりが薄れてしまうこともあります。
実際には、見る人がそれぞれに感じたこと、考えたことにこそ大きな意味があります。
アートの本当の魅力は、正解を探すことではなく、自分の答えを見つけることにあるのです。
1. 作者の意図を追いすぎると自由を失う
学校教育などでは、作品の解釈は「作者の意図を読み取ること」と教えられがちです。
確かに、作者の背景や考えを知ることで理解が深まる面もあります。
しかし、あまりにも作者中心に見てしまうと、鑑賞者の自由な発想が抑えられてしまいます。
アートは、正しい答えがあるテストではありません。
同じ作品を見ても人によって感じ方が違うのは当然で、それこそがアートの面白さなのです。
2. 見る人の経験が意味をつくる
アートを鑑賞するとき、その人の人生経験や心の状態が作品の意味づけに大きく関わります。
例えば、悲しい経験をした直後に見る絵と、幸せな気分のときに見る絵では、印象がまるで異なります。
これは、作品が固定された意味を持つものではなく、見る人との対話によって毎回新たな意味を生み出す存在だからです。
アートは鏡のように、鑑賞者自身を映し出してくれます。
3. 自分なりの解釈が人生を豊かにする
アートに対して自分なりの答えを持つことは、単なる趣味の域を超えて、自分自身の感性や価値観を深める行為にもつながります。
「この作品がなぜ気になるのか」「なぜ惹かれたのか」と問い直すことで、自分自身を知るきっかけにもなります。
そして、その解釈は他人と違っていてもいいし、むしろ違っていて自然です。
アートを通じて考え、自分の中で答えを見つける経験は、日常の見え方さえも変えてくれます。
まとめ
アートを見るとき、作者の意図を知ろうとすることは大切ですが、それ以上に「自分はどう感じたか」を大切にすることが重要です。
正解を探すのではなく、自分なりの答えを育てていくこと。
それがアートとの本質的な向き合い方であり、心を豊かにする近道です。
アートには、一人ひとりに違う物語を語りかける力があるのです。
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SNOWさんも考える
たぶんこういうブログも、書いたからその通り伝わることは100%ないと思っています。
ただ表現することの権利、自由な表現というのはないと、健全な社会は成り立ちません。
一方で、自由な表現にも守るべきルールがあります。
偏見をあおる発言
差別をあおる発言
デマや誤情報の拡散
他人の名誉を傷つける表現
プライバシーを傷つける表現
表現をする上での五戒とでも言うべき、上記の5つの項目を守るべき前提があります。
これらを守って初めて、自由を主張できるということですね。