現代人のストレス管理は、案外「石器時代の本能」にヒントがあるのかもしれません。
快適なデスク環境や集中力の維持には、物理的な距離感が思った以上に影響しているのです。
なかでも「水分へのアクセス性」が私たちの心身に与える影響は意外に大きく、
それを軽視していると、目に見えないストレスがじわじわと溜まっていく危険性があります。
1.石器時代の「安心」とは何か?
人類の歴史の大部分は狩猟採集生活でした。
その暮らしにおいて、水の確保は生き延びるための最重要タスクの一つ。
水場の近くに拠点を構えることは、安全と安心の象徴でした。
脳の深層部、いわゆる「爬虫類脳」はこの時代に最適化されており、
現代でも「水が手の届く位置にある」ことで無意識の安心感が得られる仕組みが残っています。
つまり、ペットボトルが机にあるだけで、わたしたちは石器時代からのDNAに従って、
「ここは安全だ」と判断している可能性が高いのです。
出典:Youtube(結城屋)
2.現代のオフィスにひそむ「水の不在ストレス」
現在のオフィスや在宅勤務の環境では、水分補給が意識の外に置かれがちです。
給湯室に行くのが面倒だったり、作業が忙しくて飲むのを忘れたり、あるいは飲み物を取りに行くことでリズムが崩れると感じる人もいるでしょう。
しかしこの「水がすぐそばにない状況」は、脳にとってはわずかながらも「危機的状況」として認識され、持続的なストレス反応を引き起こす恐れがあります。
生理学的にも、脱水症状に近づくと注意力・判断力が低下し、作業ミスや思考の停滞にもつながります。たった1〜2%の水分不足で
脳のパフォーマンスは著しく下がるといわれています。
3.手の届く水がもたらす驚くべき効果
一方で、水のボトルを常に視界に入る位置に置くだけで、
・意識的な水分補給の習慣がつく
・脳の「安心スイッチ」が入る
・小腹対策の無駄なおやつが減る
・立ち歩きの頻度が適度に調整される
など、意外なほどのポジティブな効果が得られます。
さらに、温度・容器・飲みやすさも工夫することで、「飲む行為」自体がちょっとしたリラックス習慣となり、マインドフルネス的な効果さえ期待できるのです。
石器時代の「水場が近いと安心」という本能を活かし、現代のワークスペースを本能的にも快適な場所にする、これはコストゼロで実現できる、最も手軽なストレス対策の一つでしょう。
まとめ
ストレスフリーな働き方のヒントは、はるか昔の記憶に宿っています。
水を身近に置くだけで、私たちの脳と体は「安全で安心な場所」と認識し、自然とリラックス状態へと近づいていきます。
働き方改革や効率化が進む中で、あえて「水」というプリミティブな要素に目を向けてみる。
それだけで、驚くほど快適な仕事空間が生まれるのです。
SNOWさんが思うこと
仕事をしていて手元にコーヒーがあると落ち着くけど、カップが空になったらストレスを感じることに気が付きました。
それで常に水やコーヒーを手元に置いておく、飲みたい時に飲む、それだけで「お菓子を食べる量」が目に見えて減りました。
というか、だいたい本能的なあれやこれやは、石器時代にぜんぶ詰まっているような気がしました。