マンチェスターシティ2020-21 – グアルディオラ監督 – サッカー戦術ロジック分析

SNOW

2025-10-07


エティハド・スタジアムの芝が濡れ、ボールは滑るように走る。

2020-21シーズンのシティを象徴するのは、水色のユニフォームが一定の距離を保ちながら常に連動して動く戦術。

選手たちは同じプログラムを共有して、お互いに考えていることをすべて熟知しているかのようでした。

2020-21シーズンのシティは、現代サッカーの完成度を示す、生きたシミュレーションでした。

時代の背景

2020-21シーズンは新型コロナウイルスの影響で無観客試合が多く、異例の過密日程となりました。

グアルディオラ監督はこうした制約を逆手に取り、選手の運動量を最適化するシステムを再設計しました。

結果はプレミアリーグ優勝、リーグカップ優勝、そしてクラブ史上初のチャンピオンズリーグ決勝進出。

このシーズンは、シティが「支配するチーム」から「勝ち切るチーム」に進化した瞬間でした。


選手構成とメイン配置

GKエデルソンの足元から試合が始まる。

センターバックはディアスとストーンズ、そしてラポルテ。

サイドバックはウォーカーとカンセロ、ジンチェンコ。

特にカンセロは、中盤へ絞って特典も狙う偽SBとして機能しました。

中盤はロドリ、ギュンドアン、デ・ブライネ、フェルナンジーニョが軸。

前線はスターリング、マフレズ、フォーデンがローテーションし、固定されたCFは不在。

アグエロ不在でも攻撃は止まらず、フォーデンやデ・ブライネが偽9番を担いました。


出典:Sky Sports Premier League


選手配置の意味と戦術

シティの配置は「5レーン理論」に忠実です。

サイド・ハーフスペース・中央をバランスよく埋め、常にパスコースと数的優位を確保します。

デ・ブライネがハーフスペースで受けると、フォーデンが裏へ抜け、ギュンドアンが二列目から飛び込む。

ボール循環はCBとアンカーで三角形を作り、相手の第一プレスを外して前進。

攻撃と守備、両方で「どこに誰がいるべきか」が緻密に計算されていました。