カタールの夜空に響いた歓声は、日本だけでなく世界中のファンの記憶に深く刻まれました。
日本代表が、ドイツ、スペインというW杯優勝経験国を連破した瞬間。
多くの人が「度肝を抜かれた」光景は、決して偶然ではなく、考え抜かれた戦術とトレーニングの結晶でした。
ここでは近年のサッカーで最大とも言える驚きを呼んだ勝利を、数字と戦術面から分析します。
時代の背景
日本代表は1998年に初出場して以来、W杯常連国になりました。
しかし、強豪相手に「勝ち切った」経験は限られていた中、2022年にグループEで日本が当たったのは強豪ドイツとスペイン。
どちらもFIFAランキング上位で、直前の予想では日本の突破率は20%以下とされていました。
実際、ドイツ戦ではポゼッション率は日本27%、ドイツ73%、期待得点(xG)はドイツが3.10、日本が1.50と大差がありました。
それでもスコアは2-1で日本の勝利。数字と現実の逆転が注目を集めました。
選手構成と出場したメンバー
日本の基本布陣は4-2-3-1、ドイツ戦では試合途中から3バックに変更。
スペイン戦ではサイドの選手を高く配置し、守備と攻撃を織り交ぜる戦いを選びました。
2022年ワールドカップで試合に出場した選手は、交代も含めて下記の通りでした。
GK 権田
DF 吉田、板倉、長友、酒井、冨安、伊藤洋輝、山根
DM 守田、遠藤航、谷口、田中碧
AM 三苫、堂安、久保、南野、鎌田、伊藤純也、相馬
FW 浅野、前田、上田
その他サブメンバーも含めて、多彩な選手が名を連ねていました。
交代カードの効果も抜群、堂安選手や浅野選手の投入が劇的な得点に結びつきました。
選手配置の意味と戦術
守備では5バックに近い陣形を取り、中央を締めることで相手を外へ誘導しました。
攻撃ではウイングの選手を押し上げ、相手ディフェンスをサイドに広げて中央のレーンに隙を作りました。
森保監督の狙いは「可変型戦術」、状況に応じて配置を柔軟に変えて、相手の予測を外し続けました。
さらに選手たちは高い戦術理解をもって、この変化に適応しました。
出典:JFATV