大相撲秋場所2025 – 優勝は“東の横綱”大の里!その道のりと今後の展望

SNOW

2025-09-29


夕闇が暮れ始めた国技館、観客席の拍手がざわめきに近づく、土俵の熱気が、蒸気のように立ち昇る。

その中心で、東の正横綱・大の里が渾身の一番を構えていた。

一体、どんな道を経てこの瞬間を迎えたのか、そして、これからはどう歩んでいくのか。

この記事ではデータと解析を交えつつ、新横綱・大の里の物語を辿ってみたいと思う。

横綱・大の里

出身は石川県津幡町、所属は二所ノ関部屋で、本名は中村泰輝(なかむら・やすき)。

現在25歳で、番付は東の正横綱です。

これまでに幕内最高優勝を5回、殊勲賞を2回、敢闘賞を3回、技能賞を3回獲得しています。

若くして安定した成績を残し、横綱として土俵を引っ張る存在になっています。


横綱昇進までの経歴

相撲を始めたきっかけ

大の里が相撲を始めたきっかけは、社会人大会で全国優勝経験のある父・知幸さんの勧めでした。

当初は野球をしたいと思っていましたが、足腰を鍛えるために相撲を始めることに。

幼い頃から体格に恵まれており、地元の相撲クラブで腕を磨きました。

学生相撲で着実に実績を重ね、名門・二所ノ関部屋に入門、角界での本格的な歩みが始まりました。

入幕後の躍進と横綱昇進

幕下から十両、そして幕内へと駆け上がるスピードは圧巻。

初土俵からわずか数年で三役に食い込み、堂々たる取り口で相撲ファンを魅了しました。

特に前に出る圧力と土俵際での粘り強さは大きな武器で、一番一番で力を出し切る姿勢は「横綱にふさわしい」と早くから評価されていました。

やがて大関に昇進し、安定して二桁白星を挙げる存在に。

決定的だったのは、強豪相手に勝ち星を積み重ねた一連の場所です。

上位陣に真っ向勝負で勝ち切る姿が、横綱推挙の声を一気に高めました。

そして2025年、日本相撲協会から満場一致で横綱昇進が承認され、25歳という若さで「東の正横綱」となり、歴史的な快挙を成し遂げました。


横綱昇進後の初優勝までの道のり

名古屋場所では苦しい逆境を強いられ、豊昇龍ともども優勝を逃しました。

横綱として初めて味わう悔しさに、基礎からの見直しを決意。

毎日の稽古で一番一番を大切にし、地道に力を積み上げました。

迎えた秋場所。

ここで真価を発揮し、千秋楽を前に13勝1敗の単独首位。

満員の国技館が期待に包まれるなか、横綱として堂々と土俵に立ちました。

しかし、千秋楽の本割で豊昇龍に痛恨の黒星。

成績は13勝2敗となり、優勝決定戦にもつれ込みます。

相手は同じく13勝2敗の豊昇龍。

直接対戦成績も、この千秋楽で2勝7敗と負け越していました。

重圧と不利なデータがのしかかる中、土俵中央で勝負の一番に臨むことになりました。


出典:日本相撲協会公式チャンネル