夜の街灯がコースを照らし、湿った空気がエンジン音に重なる。
マリーナベイ・ストリートを走るマシンは壁すれすれを駆け抜け、観客の歓声すらかき消すほど。
そこにはドライバーの集中だけが支配する世界が広がる、この過酷な舞台を制するのはどのチームか――。
2025年の実績やマシン特性、ピット戦略をもとに、シンガポールで勝ちに最も近い存在を考えてみます。
各チームの“現況”と強み・課題
近走の成績
オスカー・ピアストリ（マクラーレン）は324点でランキング首位、ランド・ノリスも299点で追走しています。
シーズンを通じて安定感を示す一方、モナコやバクーでは苦戦も。
一方でレッドブルは近況で調子を上げ、再び存在感を強めています。
スピード性能
直線加速やドラッグ効率では、レッドブル系のエンジンが強みを持っています。
ただしシンガポールは長いストレートが少なく、速さだけでは勝てません。
ストレート区間でのトラクションの強さが活きるかどうかが焦点になります。
コーナリング性能
マクラーレンは中低速コーナーの立ち上がり性能を改善してきました。
フェラーリやメルセデスも空力効率の良さを発揮しており、安定した旋回性能が特徴です。
狭い市街地では、切り返しや路面の凹凸への対応力が重要になります。
ピットワーク
フェラーリは平均2.4秒台と非常に速い作業を見せています。
マクラーレンもスピードはあるものの、ミスが続いて信頼性の面で課題が残ります。
レッドブルはDHLアワードでも首位に立ち、ピット作業の強さを証明しています。
各紙・専門の評価
予想記事ではマクラーレンに「コース適性がある」という見方が多く、ノリスの得意舞台とも言われています。
一方でレッドブルには「まだ不安要素が残る」との論調も。
つまり、マクラーレンが本命視されつつも、レッドブルやフェラーリの逆転の可能性も十分にある状況です。
マリーナベイ・ストリート・サーキットとの相性
コースの特徴
全長は約4.94km、19のコーナーがありストレートは短め、市街地ならではの壁の近さと路面のバンピーさが特徴です。
夜間開催で気温も湿度も高く、ドライバーにとって体力勝負となります。
得意とするドライバー
ノリスはこのコースで好成績を残した経験があり、適性が高いと見られています。
ピアストリも安定感があり、マシン特性に合っているとの評価。
一方で、レッドブルのドライバーはまだここで勝利を挙げていません。
マリーナベイ仕様のマシン
マクラーレンのマシンはこのコース特性と相性が良く、有力候補と見られています。
ただし、レッドブルやフェラーリがセッティングを合わせてくれば、十分に食い込む余地があります。
優勝可能性
マクラーレンは強さとリスクを併せ持つ本命、レッドブルは直線区間を活かせれば勝機あり。
フェラーリは戦略とピットで存在感を出せるチームです。
さらにアストンマーティンやザウバーも伏兵として注目されています。
潜む落とし穴
- 序盤の混雑によるトラフィック
- タイヤ摩耗や温度管理の難しさ
- 狭いコースゆえの接触リスク
こうした要素がレースの行方を左右します。
出典：Geyan F1 Channel