レアルマドリード2001-02 ― “銀河系軍団”で見えた成功と課題

SNOW

2025-10-09


静かな雨に濡れたグラスゴーの夜、ハムデン・パークの照明が芝を白く照らした。

ジダンの左足が宙を切り、弧を描いたボールがゴール左上へ吸い込まれる。

スタンドの白が波打ち、九度目の欧州制覇が確信に変わった。

華やぎの裏側で、チームは同時に国内での難しさとも向き合っていた。

時代の背景

フロレンティーノ・ペレスが打ち出した「毎年ひとり世界的スターを獲る」という方針。

2001年夏に史上最高額でジダンを獲得し、「銀河系軍団」が本格化した。

このシーズンのハイライトはUCL制覇。

2002年5月15日、レバークーゼンを2-1で破り“ラ・ノベナ”を実現したが、リーガは3位。

勝点66(19勝9分10敗)と数字が物語るように、安定感を欠いた。

さらにクラブ100周年で迎えたコパ・デル・レイ決勝では、デポルティーボに1-2で敗れる屈辱を喫した


選手構成とメイン配置

スタメンの軸

  • GK:イケル・カシージャス
  • DF:サルガド、イエロ、エルゲラ、ロベルト・カルロス
  • MF:マケレレ、グティ/ソラリ、フィーゴ、ジダン
  • FW:ラウール、モリエンテス

得点源はモリエンテス(18得点)、ラウール(14得点)。
アシストはラウール(10)、ジダン(9)、フィーゴ(9)が並んだ。

ベースフォーメーション

基本は4-2-2-2。

“10”のジダンを中心に両翼をフィーゴとソラリ(あるいはグティ)が担い、攻撃の軸を形成した。


選手配置の意味と戦術

  • ジダン:左ハーフスペースで創造性を発揮。
  • フィーゴ:右サイドで幅と突破力を両立。
  • マケレレ:攻撃陣を背後で支える守備バランサー。
  • ラウール&モリエンテス:流動とポストの役割分担。

ロベカルの高い位置取りが左の幅を確保。

右はサルガドの推進力とフィーゴの可変で攻撃の厚みを生んだ。


出典:Menuju Kemenangan