窓の外では、桜の蕾が少しずつふくらみ始めています。
季節の変わり目になると、ふと「契約更新」のお知らせが届く方も多いのではないでしょうか。
引き出しから契約書を取り出しながら、「更新料って、やっぱり払わないといけないのかな」と、少しため息が出てしまう。
この記事では、そんなお悩みに寄り添いながら、賃貸更新料の仕組みや相場、交渉のコツ、そして支払いを見直す考え方まで、最新の情報を交えてわかりやすく解説いたします。
賃貸更新料とは何か ― 基本の仕組みと法的位置づけ
まずは、賃貸更新料の基本から整理しておきましょう。
賃貸契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。
普通借家契約の場合、契約期間が満了しても、借主が希望すれば更新できる仕組みになっています。
この更新時に支払うお金が「更新料」です。
ただし、更新料は法律で義務づけられたものではありません。
国土交通省の見解によると、「更新料は法律上の義務ではなく、契約書に記載があれば有効と扱われる」とされています(国土交通省公式サイト)。
また、最高裁判所の判例でも、契約書に明確かつ具体的に記載され、金額が極端に不合理でなければ有効と判断されています(全日不動産協会)。
つまり、更新料は「契約書に明記されているかどうか」「その金額が妥当かどうか」が判断のポイントになります。
更新料の相場と地域ごとの傾向
では、実際にどのくらいの金額が一般的なのでしょうか。
- 更新料の相場は 家賃1か月分 が最も多く見られます。
- 都心部や人気エリアでは 家賃2か月分 の設定も一部で存在します。
- 一方で、近年は 更新料ゼロ の物件も増えており、特に地方都市や家賃競争が激しい地域で目立ちます。
- 地域差も大きく、関東では更新料が一般的 であるのに対し、関西では「なし」 のケースも多くなっています。
このように、全国的な傾向としては「1か月分が相場」ですが、地域や物件の性質によって大きく異なります。
更新手続きの流れと注意点
更新料を支払う・支払わないにかかわらず、契約更新の流れを理解しておくことが大切です。
手続きの流れ
- 更新通知が届く
契約満了の1~3か月前に、管理会社や大家さんから案内が届くことが多いです。 - 更新書類を提出する
案内書類に署名・押印をして返送します。 - 更新料の支払い
契約書に記載の内容に従い、振込や口座引き落としで支払います。 - 契約の更新完了
支払いと書類がそろうと、正式に契約が更新されます。
注意しておきたい点
- 通知が届かない場合もあるため、契約満了の3か月前には自分で確認する のが安心です。
- 契約書に更新料の項目がなければ、支払義務が発生しない可能性 もあります。
- 通知が遅れた場合、法定更新(自動更新)扱い になるケースもあり、その際は更新料を請求できない場合があります。
出典:ウラケン不動産【浦田健公式】