東京を拠点に活動する3人組バンド「Tempalay(テンパレイ)」は、サイケデリック×ポップ×脱力感という独自の音楽世界を築き上げています。
最新のEPやライブ活動を踏まえ、2025年時点での彼らの動向を見ていくと、その存在感がますます際立っています。
音楽性だけでなく、映像・ファッション・ライブ演出までを含めたトータルアートとしての完成度も注目を集めています。
この記事では、Tempalayのスタンス、音楽性、最新リリース、ライブ表現、そして筆者の所感を順にご紹介します。
Contents
音楽スタンスと背景
結成と活動拠点
Tempalayは2014年に東京で結成されたバンドです。
メンバーは、ボーカル・ギターの小原綾斗さん、ドラムの藤本夏樹さん、そして2018年に正式加入したシンセ・コーラス担当のAAAMYYY(トリプルエー・ミー)さんの3名で構成されています。
東京のライブハウスやクラブカルチャーを背景に、独自の存在感を確立してきました。
音楽性・キーワード
- サイケデリック:浮遊感のある音像と実験的な構成。
- ポップ:キャッチーなメロディと心地よいリズム。
- 脱力感オルタナティブ:肩の力を抜いた自由な表現。
この3つが見事に融合し、他にない個性を生み出しています。
“東京”が映る音楽
Tempalayの楽曲には、東京という都市が持つ「情報の過剰」「混沌」「若者文化の交錯」が自然に反映されています。
特に代表曲「大東京万博」は、その象徴的なタイトルと歌詞世界で、現代の東京を軽やかに風刺しています。
最新リリース&動向
EP『Naked 4 Satan』(2025年8月リリース)
2025年8月にリリースされた最新EP『Naked 4 Satan』は、Tempalayの新たな方向性を感じさせる作品です。
収録曲「Magic」はオーストラリアでの旅から得たインスピレーションをもとに制作され、異国的な風景と軽やかなリズムが印象的です。
ライブ活動・フェス出演
2025年には国内大型フェス「SWEET LOVE SHOWER」への出演も発表されました。
また、2024年には結成10周年を記念した日本武道館ワンマンライブ「惑星X」を開催し、彼らのキャリアにおける大きな節目となりました。
制作へのこだわり
最新作の制作では、「機械と生音の融合」をテーマに、ホームスタジオで1か月をかけた緻密なレコーディングが行われました。
細部まで自分たちの手で仕上げるスタイルに、彼らのDIY精神が感じられます。
音と映像・ライブ表現の特徴
予測不能な展開
Tempalayの楽曲は、いわゆる「Aメロ→Bメロ→サビ」という定型構成にとらわれません。
展開の読めない構造が、聴くたびに新しい発見をもたらします。
映像・アートとの融合
「Magic」のミュージックビデオでは、旅先の風景や自然を取り入れたアート的な映像が印象的です。
ライブでも照明・映像・ステージ演出を駆使し、音楽と空間が一体となった体験を提供しています。
脱力とカオスのバランス
彼らの音楽は、リラックスして聴ける心地よさと、次に何が起こるかわからないワクワク感の両方を持っています。
“脱力感オルタナティブ”という言葉がぴったり当てはまります。
出典:Tempalay