睡眠は人生の3分の1を占めるほど大切なのに、悩んでいる人は後を絶ちません。
「なぜ寝付けないのか?」「なぜ眠りが浅いのか?」──その答えは一つではありません。
2025年の最新知見まで踏まえると、睡眠を左右する要因は驚くほど多岐にわたります。
この記事では、寝付きや睡眠の質に関わる要素を網羅的に整理してご紹介します。
Contents
生理的(身体)要因
ホルモン・神経伝達物質
- メラトニン分泌量(光環境・年齢などで変化)
- コルチゾール(ストレスホルモン)
- セロトニン(メラトニンの前駆体)
- アデノシン(睡眠圧)
- オレキシン(覚醒維持)
- 体内炎症レベル(慢性炎症)
体調・健康状態
- 体温リズム(深部体温の下降)
- 身体疲労(適度・過度の両方が影響)
- 慢性疾患(心疾患・糖尿病・甲状腺異常など)
- アレルギー・鼻詰まり
- 睡眠時無呼吸症候群
- レストレスレッグス症候群(むずむず脚)
- 消化器トラブル(胃酸逆流、過食)
年齢・性別
- 加齢によるメラトニン減少
- ホルモン周期(特に女性の月経周期・更年期)
心理的・精神的要因
感情・心理状態
- ストレス・不安
- 抑うつ気分
- 過覚醒状態(頭が冴えている)
- 思考の暴走(反芻思考)
ライフイベント
- 人間関係の悩み
- 仕事や学習のプレッシャー
- 家庭・環境の変化
行動・生活習慣要因
日中の行動
- 日光暴露(特に朝)
- 適度な運動(強すぎる夜の運動は逆効果)
- 昼寝の長さと時間帯
食事・飲み物
- カフェイン摂取時間(コーヒー・緑茶・紅茶・エナドリ)
- アルコール(入眠は助けても睡眠の質を低下させる)
- 過食・就寝直前の食事
- 栄養不足(マグネシウム、ビタミンD、トリプトファンなど)
夜の行動
- 就寝前のスマホ・PC・ゲーム(ブルーライト + 心理刺激)
- SNS・ニュースの閲覧
- 熱い風呂の入浴直後に寝る(深部体温の下降を妨害)
生活リズム(概日リズム)要因
- 就寝・起床時刻の不規則さ
- シフトワーク・夜勤
- 海外旅行・時差ボケ
- 朝起きる時間が遅い生活
住環境・寝室環境
光
- 寝室の明るさ(街灯、LED、スマホ光)
- 就寝前の強い照明(青白い光)
音
- 外部騒音(交通、隣室)
- 寝室の静かすぎる環境に慣れていない場合
温度・湿度
- 理想:18〜22℃前後、湿度40〜60%
- 寒暖差、乾燥
ベッド・寝具
- マットレスの硬さ・反発
- 枕の高さ・形状
- 掛布団の重さ・素材
空気環境
- 換気不足・二酸化炭素濃度の上昇
- 花粉・ダスト
テクノロジー・デジタル行動
- スマホ使用(特に布団の中)
- SNSから受ける心理負荷
- 長時間ゲーム
- 仕事・Slack・メール通知による覚醒
- 過度の動画視聴・短時間コンテンツ(TikTok等)
- 光るデバイスの使用
薬物・サプリメント
眠りを悪化させる
- カフェイン
- ニコチン
- 一部の抗うつ薬・ステロイド
- 覚醒作用のある薬(抗アレルギー薬の一部)
改善することがある
- メラトニン
- マグネシウム
- グリシン
- GABA
- L-テアニン
- 亜鉛、ビタミンD
- 漢方(柴胡加竜骨牡蛎湯など)
社会的・外的要因
- 仕事のストレス・締切
- 家族の生活音・育児
- 夜間の連絡・周囲の生活リズム
- 経済的な不安
- 匂い(香水、ペット、キッチンの匂い)
遺伝的要因
- クロノタイプ(朝型・夜型)
- メラトニン受容体の遺伝差
- 睡眠時間の遺伝傾向(ショートスリーパーなど)
メンタルヘルス・診断レベルの要因
- 不眠症(入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒)
- 気分障害(うつ病)
- 不安障害
- ADHD(過覚醒・注意散漫による夜更かし)
- PTSD
就寝前のルーティン
- リラックス行動(ストレッチ、瞑想)
- 熱すぎる入浴タイミング
- ハーブティー(カモミール等)
- アロマの使用(ラベンダー等)
- 寝る直前の会話・議論
現代的トピック(2025年時点)
- ウェアラブルの影響(睡眠スコアへの不安)
- 生成AI・チャット使用による就寝直前の興奮
- スマートホームの光・自動調整機能
- VR/ARの長時間使用による脳の覚醒
- パーソナライズ照明(概日リズム調整)
出典:【有益】やり続けるイッチ