晴天の中、プライフーズスタジアムで行われるこの対戦は、まさに注目の一戦。
上位でJ2昇格がかかった ヴァンラーレ八戸 と、J3残留がかかった カマタマーレ讃岐。
試合は絵に描いたような波乱の展開となり、「ジャイアントキリング」が起こりました。
今回はその理由について、草サッカー生涯成績が0ゴール2アシスト、スライディング1回の筆者(元バスケ部)が、データと感覚で掘り下げてみます。
Contents
背景とフォーメーション
八戸と讃岐、それぞれの立ち位置
八戸は今季上位争いをしており、フォーメーションは「3-1-4-2」で、いわば攻撃に重きを置いた必勝体制。
讃岐は残留を目指しており、「3-4-2-1」で堅実な守備を志向、このフォーメーションの差、その狙いの差がまず鍵になります。
なぜこのフォーメーションが使われたか
八戸の3-1-4-2は中盤を厚くして攻撃的に展開するための布陣、一方で讃岐の3-4-2-1は守備ブロックを敷いて、カウンターやセットプレーを狙う構えです。
このギャップが<挑戦者 vs 本命>の構図を生み出していました。
試合展開(前半)
先制点と序盤の流れ
コーナーに近いフリーキックから、後藤のゴールで讃岐が先制、という流れになりました。
気が緩みがちな序盤での得点、八戸はその後、決定機を多く作りながらも決めきれず。
シザーズからの絶好のヘディングも外し、ディフェンスを完全に剥がしてシュートもバーの上。
チャンスが続きましたが、惜しくもゴールマウスを捉えきれませんでした。
讃岐としては得点後に、ひたすら耐える守備へと切り替えたように見えます。
試合展開(後半)
攻め続けた八戸、守り切った讃岐
後半に入っても八戸の攻勢は変わりませんでした。
シュート、クロス、連動した攻め…しかし讃岐のキーパーがスーパーセーブを連発。
讃岐は引いて守る時間帯が長くなり、スペースを与えず、ディフェンスが神クリアを見せる場面もありました。
数値で見ても、八戸のシュート数12本に対して讃岐2本、コーナー11対1、フリーキック12対7。
圧倒的な攻撃回数差でした。
この「攻めたけれど決めきれない」展開が、ジャイアントキリングを生むことになったのです。
大一番でジャイアントキリング
データ的観点
- シュート数:八戸12本、讃岐2本(圧倒的な差)
- コーナーキック数:八戸11本、讃岐1本
- フリーキック数:八戸12本、讃岐7本
これらは完全に試合の主導権を、八戸が握っていたことを裏付けています。
心理&戦略的観点
しかし勝ったのは讃岐。
いわゆる強豪相手に勝つには、こういう「相手に攻めさせて守って守って、ひとつのスキを突く」パターンが、多くのジャイアントキリングと呼ばれる試合で見られます。
この大一番の試合も、まさにその典型的なパターンに当てはまる試合でした。
出典:カマタマーレ讃岐