サッカーを見ていると、「いまのは戦術が良かったですね」とか「今日は戦略勝ちですね」といった言葉をよく聞きます。
でも、その2つの違いをはっきり説明できる人は意外と少ない気がします。
なんとなく使っているけれど、実はごちゃっとしている言葉かもしれません。
そこで今回は、サッカーを例にしながら「戦術」と「戦略」の違いを整理してみます。
Contents
戦術と戦略はどう違うのか
まずは戦略の話から
戦略というのは、試合全体をどう進めるかという設計図のようなものです。
勝ちに行くのか、引き分けで十分なのか、リスクを取る試合なのか、我慢する試合なのか。
こうした判断は、キックオフ前にほぼ決まっています。
次に戦術について
戦術は、その戦略を実現するための具体的なやり方です。
フォーメーションや守備の立ち位置、どこから攻めるのか、誰がどのエリアを使うのか。
ピッチ上で見える動きの多くは戦術です。
サッカーでよく見かける戦略の考え方
試合を俯瞰して考える
戦略は90分を通しての話です。
前半は様子見で、後半に勝負をかける、アウェーだからまずは失点しない。
連戦なので省エネでいく、こうした判断が戦略になります。
数字から見える現実
欧州主要リーグを見ると、アウェーの勝率はおおむね30%前後です。
この数字を知ると、守備的な戦略が多い理由も見えてきます。
トーナメントでは、PK戦を視野に入れる戦略も珍しくありません。
戦略はかなり現実的な判断の積み重ねです。
試合中に変えやすいのは戦術
現場で調整しやすいポイント
戦術は、試合中でもある程度いじれます。
ラインを少し下げる、サイド攻撃を増やす、中盤の立ち位置を修正する。
こうした変化は、ベンチからの指示で対応できます。
とはいえ万能ではない
ただし、何でも変えられるわけではありません。
準備していない戦術はうまくいきません。
練習していない配置変更は混乱を招きます。
戦術にも現実的な限界があります。
戦略は試合中に変えられるのか
基本は変えない前提
戦略は原則として試合前に決めるものです。
引き分け狙いの試合を、突然総攻撃にはしません。
時間帯による強弱はあります。
ですが、根本の考え方は変えにくいです。
例外が起きるとき
想定外の退場や負傷が起きたときです。
早い失点も影響しますが、それでも多くの場合は、戦略を微調整する形になります。
完全に作り直すケースは少ないです。
出典:GOAT理論【切り抜き】