サッカーで考える「戦術」と「戦略」の違い|試合中に変えられるのはどっち?

SNOW

2025-12-20

サッカーを見ていると、「いまのは戦術が良かったですね」とか「今日は戦略勝ちですね」といった言葉をよく聞きます。

でも、その2つの違いをはっきり説明できる人は意外と少ない気がします。

なんとなく使っているけれど、実はごちゃっとしている言葉かもしれません。

そこで今回は、サッカーを例にしながら「戦術」と「戦略」の違いを整理してみます。

戦術と戦略はどう違うのか

まずは戦略の話から

戦略というのは、試合全体をどう進めるかという設計図のようなものです。

勝ちに行くのか、引き分けで十分なのか、リスクを取る試合なのか、我慢する試合なのか。

こうした判断は、キックオフ前にほぼ決まっています。

次に戦術について

戦術は、その戦略を実現するための具体的なやり方です。

フォーメーションや守備の立ち位置、どこから攻めるのか、誰がどのエリアを使うのか。

ピッチ上で見える動きの多くは戦術です。


サッカーでよく見かける戦略の考え方

試合を俯瞰して考える

戦略は90分を通しての話です。

前半は様子見で、後半に勝負をかける、アウェーだからまずは失点しない。

連戦なので省エネでいく、こうした判断が戦略になります。

数字から見える現実

欧州主要リーグを見ると、アウェーの勝率はおおむね30%前後です。

この数字を知ると、守備的な戦略が多い理由も見えてきます。

トーナメントでは、PK戦を視野に入れる戦略も珍しくありません。

戦略はかなり現実的な判断の積み重ねです。


試合中に変えやすいのは戦術

現場で調整しやすいポイント

戦術は、試合中でもある程度いじれます。

ラインを少し下げる、サイド攻撃を増やす、中盤の立ち位置を修正する。

こうした変化は、ベンチからの指示で対応できます。

とはいえ万能ではない

ただし、何でも変えられるわけではありません。

準備していない戦術はうまくいきません。

練習していない配置変更は混乱を招きます。

戦術にも現実的な限界があります。


戦略は試合中に変えられるのか

基本は変えない前提

戦略は原則として試合前に決めるものです。

引き分け狙いの試合を、突然総攻撃にはしません。

時間帯による強弱はあります。

ですが、根本の考え方は変えにくいです。

例外が起きるとき

想定外の退場や負傷が起きたときです。

早い失点も影響しますが、それでも多くの場合は、戦略を微調整する形になります。

完全に作り直すケースは少ないです。


出典:GOAT理論【切り抜き】