センターバックの攻撃戦術 – パスとドリブルの重要性

サッカーにおけるセンターバック(CB)は、守備の要です。

現代のフットボールでは守備だけではなく、攻撃の起点としても重要な役割を果たしています。

特に、パスとドリブルの能力を持つセンターバックは、チームの攻撃を大きく活性化させ、相手にとって脅威となる存在です。

今回は、センターバックが攻撃にどう関与できるか、パスとドリブルを中心に解説していきます。


1. ビルドアップの要としてのパス

現代サッカーでは、ビルドアップを後方から丁寧に行い、相手のプレスをかわしながら攻撃の形を作ることが重要視されています。その中で、センターバックのパスは攻撃のスタート地点として極めて重要な役割を果たします。

縦パスでラインを突破

センターバックからの縦パスは、相手の守備ラインを一気に突破できる強力な武器です。特に中盤の選手やフォワードの足元へ正確にボールを届けることができれば、相手の守備ブロックを破るチャンスを作り出せます。このパスが効果的に機能すれば、相手にプレッシャーをかけられずに攻撃を展開できるため、センターバックにはその精度が求められます。

横パスでゲームメイク

横パスは、一見するとリスクの少ないパスに思えるかもしれませんが、実は重要な戦術的要素です。センターバックがサイドチェンジやボールの展開を行うことで、相手の守備の隙を作り出すことができます。例えば、相手が片側に寄ってプレスをかけてきたときに、反対側のウィングやサイドバックに素早くボールを展開できれば、大きなスペースが生まれ、攻撃のチャンスが広がります。

バックパスでリスク管理

センターバックが後方にパスを戻すことも、攻撃の一部として重要です。例えば、相手のプレスが強く、縦への展開が難しい場合、一旦ゴールキーパーや他のセンターバックにボールを預け、プレスを誘導して新たなスペースを作り出すことが可能です。このように、攻撃のリズムを調整し、リスクを避ける役割もセンターバックには求められます。

 

2. ドリブルで相手を引きつける

守備的なポジションにいるセンターバックが、ドリブルで相手を引きつけることは一見リスクが高いように思えますが、適切な状況で行えば非常に効果的です。特に相手が前線からプレスをかけてくる場合、ドリブルでそのプレスをかわすことができれば、数的優位を作り出せる場面も多くなります。

プレス回避のドリブル

相手フォワードが前線からプレスをかけてきたときに、冷静にドリブルでプレスを回避することで、一気に中盤のスペースを広げることができます。特に、プレッシングの強いチームに対しては、このドリブルで一人かわすだけで数的優位を作り出し、チーム全体の攻撃展開をスムーズにします。センターバックの中でも、特にテクニックがある選手は、このドリブルを駆使して相手を崩すことができます。

相手を引きつけてパスの選択肢を増やす

センターバックがボールを持ったままドリブルで相手に迫ることで、相手選手を引きつけ、他のポジションにスペースを作り出すことができます。相手がボールホルダーにプレスをかけてきた瞬間、その直前でパスを出すことで、フリーの味方選手にボールをつなげるチャンスが生まれます。この「引きつけてからのパス」は非常に効果的な攻撃手段です。

 

3. センターバックの攻撃的な役割の進化

かつてのセンターバックは主に守備を担当していましたが、現代サッカーではその役割は大きく進化しています。特に、攻撃の起点としてビルドアップを担うセンターバックが増え、そのパスやドリブルのスキルが勝敗に直結することも少なくありません。

例えば、バルセロナのジェラール・ピケやマンチェスター・シティのジョン・ストーンズといった選手は、守備だけでなく攻撃のビルドアップにも貢献できるセンターバックの代表格です。彼らは、ボールを運びながら相手のプレスをかいくぐり、攻撃に転じるスキルを持っています。


4. まとめ

センターバックが攻撃に参加するためには、パスとドリブルのスキルが非常に重要です。

特に、相手のプレスを回避し、効果的にボールを展開できるセンターバックは、チームの攻撃の幅を大きく広げることができます。

攻撃的なビルドアップの要として、パスとドリブルを活用することで、守備的なポジションからでも試合をコントロールし、勝利に貢献できるのです。

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