2025年、ITエンジニアの働き方は多様性を増し、フルリモートワークが一般化しつつある。
しかしその実態には、自由の裏にある孤独や評価制度の課題も潜んでいる。
本稿では、フルリモートSEとして働くリアルな現場感と、それを取り巻く環境の変化を探る。
理想と現実のギャップを見つめながら、今後のあるべき働き方を考察する。
第1章:フルリモート化の進展とSEへの影響
1-1 リモート化の背景と制度整備
コロナ禍以降、企業のテレワーク環境は整備が進み、2025年にはフルリモートが制度として定着した企業も多い。
VPN、セキュリティ、チャットツールの整備に加え、評価や勤怠の可視化ツールも導入され、SEが自宅で働く前提が整った。
1-2 技術職におけるリモートワークの適性
SEは元来、PCとネット環境があれば作業可能な業務が多いため、リモートとの親和性は高い。
設計、開発、テスト、レビューといった作業がオンライン化され、オフィスに依存しない働き方が現実のものとなった。
第2章:リアルな日常と見えてきた課題
2-1 孤独感とチームビルディングの難しさ
SlackやZoomでのやり取りは可能でも、非言語情報や雑談の欠如により、関係構築が難しくなる場面が多い。
チームで働くSEにとって、ちょっとした雑談やホワイトボードを囲んだ議論の欠如は意外と痛手だ。
2-2 キャリア評価と見えにくい成果
オフィスにいないことで「働いている姿」が見えず、評価が成果物頼みになる傾向が強まっている。
これは、目に見えるアウトプットが少ない要件定義や設計担当SEにとっては不利になりやすい構造でもある。
第3章:フルリモート時代の理想とこれから
3-1 自律と信頼が鍵となる組織運営
社員のセルフマネジメント能力と、マネジメント側の信頼ベースの評価制度が求められるようになってきた。
「仕事をやっているふり」よりも、「結果を出せるプロセス」が重視される風土への転換が進むべきだろう。
3-2 ハイブリッド化と選択の自由
完全リモートだけでなく、「必要なときだけ集まる」ハイブリッドモデルが今後の主流になる可能性も高い。
通勤ストレスの削減と、対面コミュニケーションの恩恵を両立するための柔軟な働き方が、選択肢として歓迎される。
※参考
フルリモート歴5年目のエンジニアが語る、働き方の“理想と現実”