夏になるとプロジェクトが増える企業も多いのではないでしょうか。
そのたびに聞かれるのが「この機能、どれくらいで作れますか?」という問い。
ソフトウェア開発における見積もりは、経験と論理の積み重ねです。
今回は、これから見積もりに関わる人のための「超基本」をお伝えします。
1.ソフトウェア開発の見積もりで何が決まるのかがわかる
見積もりは、プロジェクトの方向性や実現可能性を左右する最初のステップです。
納期、予算、稼働率、必要なスキル──すべてがこの「見積もり」にかかっています。
特に顧客との信頼関係は、最初の見積もり精度で大きく変わります。
「最初に出した数字があとから崩れる」ことはよくありますが、毎回それでは信用を失ってしまいます。
では、なぜ見積もりはそんなに難しいのでしょうか?
2.見積もりがブレやすい理由と、避け方がわかる
見積もりがブレる主な理由は3つあります。
・仕様が曖昧
・過去データがない
・人によって作業スピードが違う
特に「仕様がふわっとしている」のは、初心者でもベテランでも悩みどころ。
たとえば「一覧画面を作って」というだけで、列数やソートの有無、検索機能の有無などで工数は倍以上変わります。
そのため、要件が固まっていない段階で「ざっくり出して」と言われたら、
・「Aパターンで○人日」
・「Bパターンなら+○人日」
といった複数案を出すのが現実的です。
また、社内に過去の工数記録があれば、それを元にざっくり判断できる場面もあります。
3.2020年代の見積もりトレンドがわかる
ここ数年、ソフトウェア見積もりの方法にも変化が出ています。
クラウド化・マイクロサービス化・ノーコード活用により、部分的な自動化や再利用が進んでいます。
IPAの調査によると、2023年時点で「工数見積もりに過去プロジェクトデータを活用している企業」は54.3%(出典:IPA『IT人材白書2023』)
つまり、約半数はまだ「経験と勘」に頼っているということ。
また、アジャイル開発では「詳細な見積もりを前提としない」やり方もあります。
最初から完璧な見積もりを目指すよりも、「見積もりは更新されるもの」として柔軟に見直していくスタイルが定着しつつあります。
見積もり自体を“ひとつのスキル”として扱う動きもあり、教育プログラムやAI見積もりツールの導入が始まっています。
まとめ
ソフトウェア開発における見積もりは、単なる「数字出し」ではありません。
プロジェクトの出発点であり、信頼を生むための重要な工程です。
だからこそ、経験だけでなく「根拠」と「選択肢」を持って対応したいところ。
これから開発見積もりを行う人も、見積もりを依頼する人も、少しでも「なぜそうなるのか?」という視点を持てると、無理な期待や衝突は減っていくはずです。
あなたの現場でも、まずは「1画面いくら?」からではなく、「どういう条件で?」という会話から始めてみませんか?
SNOWさんの思うこと
見積もりは「これが正しいはずがない」ぐらいに思って、最初は見積もるのが正しい姿勢なのかなと思います。
なので明らかに余計に工数がかかるような場合や早く済んだような場合には、追加で見積もりや減額も視野に入れていいんじゃないかと。
相手も商売と言えば商売なんですけど、誠意を尽くしている人に誠意で応えないのはよほど変わった人だと思います。
逆にそういう人にたまたまめぐり合ってしまったような場合は、スルーしたり反応しないことが大事かもしれない。
商売ってお金のためにやっている人もたくさんいるので、そういう面白くないところも受け入れないと進めない場合もあるように思います。
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