毎年8月、ノルウェーで開催される超過酷なトライアスロンがあります。
その名は「ノルスマン・エクストリーム・トライアスロン」。
美しいフィヨルドと凶悪な山岳地形を舞台に、鉄人たちが限界に挑む一日。
観るだけでも鳥肌モノ、この大会の魅力と実態を追ってみましょう。
1.ノルスマンとは何かがわかる:過酷すぎるルール
ノルスマン・エクストリーム・トライアスロン(正式名:Norseman Xtreme Triathlon)は、2003年に始まった招待制の大会です。
開催地はノルウェー南部のハルダンゲル地方。氷河湖や山岳地帯を舞台に、トライアスロンとしての基本は守りつつ、その「過酷さ」を極限まで高めた内容になっています。
スイム(3.8km)は、早朝のフィヨルドに浮かぶフェリーの上からのジャンプスタート。
水温はおおよそ13〜15℃前後。ウェットスーツは必須ですが、それでも震えるほどの冷たさです。
バイク(180km)は、獲得標高約3,800m。つまり、平坦など一切なし。上る、上る、上る。
最後のラン(42.2km)は、標高1,800mのガウスタトッペン山をゴールとする登山マラソン。後半は岩場を手で登る必要すらあります。
完走タイムの平均は約15時間。制限時間は17時間ですが、山頂ゴールを目指せるのは上位160名のみ。残りは山のふもとでフィニッシュとなります。
出典:Untold Stories Of The Hardest Triathlon In The World – Norseman Xtreme Triathlon
2.選ばれし者だけが出られる理由と魅力
この大会は、誰でも出られるわけではありません。
エントリーは抽選制で、しかも世界中から応募が殺到します。2024年は約4,000名の応募に対し、選ばれたのはわずか265名。
その中には、元オリンピアンやプロ選手も少なくありません。
なぜそこまで人を惹きつけるのか?
理由のひとつは「景色」。ノルウェーのフィヨルドを眺めながら泳ぎ、霧のかかる山岳を駆け上がる体験は、まさに映画のワンシーンのようです。
もうひとつは「誇り」、ノルスマン完走者はTシャツの色(黒)で知られ、世界のトライアスリートから一目置かれます。
しかも、サポートカーによるチームサポートが必要で、選手と仲間が一体となってゴールを目指す点も独特です。
単なる競技を超えた、人生に残る「冒険」なのです。
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