日本代表がキリンチャレンジカップ2025で、ブラジル代表に劇的な逆転勝利を収めました。
前半は押し込まれる時間が多く、苦しい展開が続きましたが、ハーフタイムでの戦術修正によって後半は一変。
怒涛の3得点で逆転し、長年の宿敵ブラジルに初めて勝利しました。
この記事では、前後半の戦術の違いを中心に、この試合がどのように「歴史的勝利」となったのかを振り返ります。
試合の概要と背景
2025年10月14日、東京スタジアムで行われたキリンチャレンジカップ。
日本はこれまで、ブラジルに13戦して未勝利(11敗2分)と、フル代表では一度も勝てていない状況でした。
しかしこの日、3対2でついに王者ブラジルを相手についに念願の初勝利。
- 前半:26分 パウロ・エンリケ、32分 ガブリエウ・マルティネッリ(ブラジル)
- 後半:52分 南野拓実、62分 中村敬斗、71分 上田綺世(日本)
過去のブラジル代表との試合、すべて合わせても5得点しかあげられていなかった日本代表。
前半の劣勢を覆す「前後半の戦術的変化」により、一気に3得点を追加して見事な逆転勝利を収めました。

前半 – 守備ブロックで耐えた日本代表
日本の布陣と立ち位置
日本は3バックを基軸にした守備的布陣で臨みました。
前線には上田綺世、インサイドハーフには南野拓実と久保建英、ウィングバックには堂安律(右)と中村敬斗(左)を配置。
守備時は5-4-1の形となり、両ウィングバックが下がって中央を固める構えでした。
ブラジルの攻撃構造
ブラジルは中盤にカゼミロ、ブルーノ・ギマランイス、パケタらを配置し、テンポの速いパスワークで主導権を握りました。
特に日本の3バックの両脇のスペースを狙った攻撃が多く、縦への突破と裏への抜け出しが効果的に機能しました。
その結果、前半26分と32分に立て続けに失点。日本は完全に押し込まれる展開となりました。
前半の課題
前半は、ブラジルの中盤支配に対して十分なプレッシャーをかけられなかったことが課題でした。
日本は前線からのプレスが弱く、相手のビルドアップを簡単に許してしまう時間が長く続きました。
また、ライン間の距離が広がり、チーム全体が間延びしてしまったことも影響しました。
前半終了時点での日本は、守備一辺倒で主導権を握ることができず、反撃の糸口が見えないままロッカールームへ下がりました。
ハーフタイムでの修正ポイント
ハーフタイムで森保監督は、攻守両面にわたる大胆な戦術変更を指示、主な修正内容は以下の通りでした。
項目 | 改善・変化内容 |
---|---|
プレス強度の向上 | 前線からプレッシャーをかけてビルドアップを阻止 |
ウィングバックの攻撃参加 | 両サイドを高く保ち、サイド攻撃とクロスの数を増加 |
中盤の運動量 | 広範囲に動き、セカンドボール回収を強化 |
選手交代 | 伊東を投入し、右サイドの推進力をアップ |
相手ミスの誘発 | 杯プレスでミスを誘いショートカウンターを狙う |
森保マジックとも言うべき『まるで別のチームになったかのような大幅修正』、これが完全にハマって後半の劇的な改善につながりました。
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出典:JFATV