水曜日のカンパネラ – コムアイさん ~ 詩羽さんの鮮やかな系譜

2021年に大きな転換期を迎えた音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」。

初代ボーカルのコムアイさんが脱退し、新たに詩羽(うたは)さんが二代目ボーカルに就任しました。

そのニュースは一部で“別物になる”と不安視されましたが、今やその心配は無用だったと誰もが認めています。

この2人の表現者がどちらも唯一無二で、どちらも“天才”と呼ばれる理由について考察してみます。


1.コムアイさんの水曜日のカンパネラ時代:前衛と民俗の交差点

コムアイさんが在籍していた2013年~2021年の水曜日のカンパネラは、実験的で知的な香りが色濃く漂っていました。

  • 初期作品「桃太郎」「シャクシャイン」などに見られる、歴史上の人物をモチーフとした楽曲群

  • ユーモアと教養を両立した内容で話題に

  • コムアイさん自身はアートやドキュメンタリー方面への関心も強い

  • ライブでは“舞台芸術”のような演出も展開

  • 民俗音楽や民族楽器への傾倒も見られる

  • グローバル感覚を早期に取り入れていた点でも先進的

その背景には、コムアイさんの「芸術のメディウムとしての音楽」という視点が一貫して存在していました。

またポップミュージックの枠を突き破るような活動が特徴でした。

2021年の卒業後も、映画出演やアートプロジェクトへの参加を通して「生き方そのものが作品」という姿勢を貫いています。


出典:Youtube(水曜日のカンパネラ)


2.詩羽さんによる再起動:ポップとファッションの新時代

一方で詩羽さんが加入したあとの水曜日のカンパネラは、ポップでファッショナブルな路線が強まります。

若い世代からの支持を急拡大させました。

  • 代表曲「エジソン」はTikTokを中心にバイラルヒット

  • 累計再生数は1億回を突破

  • 詩羽さん自身がモデル出身であることから、ヴィジュアル面でも常に注目される

  • ファッションアイコンとしての人気も急上昇

  • 歌声はあどけなさと芯の強さが共存しており、パフォーマンスにおける存在感は唯一無二


詩羽さんは「時代に寄り添うポップの体現者」として、SNS時代のアーティスト像を体現。

かつての前衛性を引き継ぎつつ、Z世代以降にも強く響く「軽やかで開かれた感性」を打ち出しています。

新生「水カン」はまさに再誕を遂げました。