朝食を抜いてコーヒーだけ、という生活にトライしたことがある人は多いのではないでしょうか。
「空腹をコーヒーでごまかす」というテクニックは、意外と効果があります。
しかしその方法を一日中続けると、夜に眠れなくなるという落とし穴も。
今回は、実体験を交えつつ、ブラックコーヒーによる空腹抑制の効果とその限界を考察します。
1. ブラックコーヒーは空腹感を一時的に抑える
ブラックコーヒーには、空腹感をやわらげる作用があることが知られています。
これは主にカフェインによる中枢神経への刺激と、胃に液体が入ることによる「満たされた感覚」が関係しています。
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カフェインは脳の視床下部に作用し、食欲を一時的に鈍化させると言われています。
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ある研究(Appetite, 2014年)では、朝にカフェインを摂取した群のほうが、非摂取群よりも昼食の摂取量が平均で10%減少しました。
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胃が温まり、消化器官が「何か食べた」と誤認識することで、心理的な空腹感も軽減される効果があります。
ただしこれは「朝食の代わり」としての短時間の話。長時間の空腹には耐えきれるものではありません。
2. 一日中ブラックコーヒーで乗り切るのは難しい理由
午前中はごまかせても、午後からは事情が変わってきます。
カフェインの影響が強すぎると、次のような問題が出てきます。
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カフェインの半減期は4~6時間
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たとえば12時に1杯飲むと、夜18時でも体内に半分以上残っています。
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複数回飲むと、夜の睡眠に影響が出る可能性が高まります。
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過剰摂取による副作用
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焦燥感、心拍数の上昇、胃のムカつきなどの症状が報告されています。
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特に空腹状態ではカフェインの吸収が早く、刺激が強く出る傾向があります。
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眠れない=太るリスク
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睡眠不足は、空腹ホルモン「グレリン」が増加し、過食につながるというデータもあります(PLOS Medicine, 2004年)。
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つまり「コーヒーだけで我慢し続ける」は、一見ストイックに見えて、実は逆効果になりやすいという落とし穴があるのです。