3.無言のキャプテンシーと異文化適応力
彼が見せる「遠い目」には、プレーの結果だけでなく、その意味や価値を内省するような深みがある。
実際、遠藤は日本代表ではキャプテンを務め、強豪ドイツでも人格者として知られていた。
リヴァプールという歴史と伝統あるクラブで、英語がネイティブでない選手が中盤の指令塔を任されるのは簡単ではない。
しかし遠藤は、語学よりも先に「行動」で信頼を得た。
常に黙々と準備をし、チームのために走り、誰よりも試合の流れを読もうとする。
その姿勢が、周囲の若手や新加入選手にとっての「無言の手本」となっている。
彼のキャプテンシーは言葉ではなく、プレーと姿勢で伝わる「沈黙のリーダーシップ」なのである。
まとめ
遠藤航は、ゴールや派手なスキルで称賛される選手ではない。
だが彼は、試合という「物語」の中で地味な役どころを完璧に演じ切る名優だ。
その「遠い目」は、次の展開を見据え、仲間の意図を汲み取り、何をすべきかを瞬時に判断する目である。
リヴァプールのような舞台で、そうした選手が確かに評価され、必要とされていること。
それ自体が、現代サッカーがより複雑に、より知的になっている証左でもある。
遠藤航のすごさとは、すなわち「見えにくい領域を支配する知性」なのである。
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SNOWさんの見解
ある時、気がついたんですが、遠藤さんは若い時からずーっと日本代表にいて、こっそりプレーしてる。
しかもほとんどスタメンみたいな感じで、それで2022W杯よりもっと前から、日本代表の中心選手は遠藤さんだなぁと思っていて、ブログかXでそんなことを書いた記憶もある。
たぶんわかる人は分かっていたと思うけど、それがちゃんと世界最高峰リーグにまで伝わって、その中でも最高峰のリヴァプールFCにいるのもすごいなと思います。