ChatGPT Agentがすごいらしい──そんな話題が2025年7月17日、テック系メディアやSNSを中心に世界中を駆け巡った。
それは単なるアップデートではなく、「AIが自分で手を動かす」ような、本質的に新しい体験だった。
このブログでは、ChatGPT自身にChatGPT Agentの仕組みやできることを聞きながら、その正体を解き明かしていく。
2025年のAI進化の象徴とも言えるこの機能は、果たして何が革新的なのか──。
1.ChatGPT Agentは“何ができるAI”なのか?
ChatGPT Agentは、OpenAIが2025年7月に発表した新機能で、従来のChatGPTが「テキストで返答するAI」だったのに対し、「複数の作業を実行できるAI」に進化したものだ。
具体的には、仮想のコンピュータ環境上でウェブブラウザ・コード実行・ファイル操作・外部API通信などを組み合わせて処理を進める。
例えば、ユーザーが「週末の予定に合わせてレストランを予約しておいて」と指示すれば、Agentは以下のように動く。
まずGoogleカレンダーを開き予定を確認し、次にOpenTableでレストランの空席を検索、予約完了メールを生成し、必要であれば文面も整えてくれる。
この一連の動きは、人間の「段取り思考」に近く、まさにエージェント(代理人)としての働きだ。
なお、現時点ではChatGPT Pro・Team・Enterpriseユーザー向けに展開されており、1カ月あたりの使用回数に制限が設けられている。
2.操作権は誰にあるのか?安全性への配慮
ChatGPT Agentの登場により、AIが「勝手に動く」ことへの懸念も当然生じる。
しかし、OpenAIはこの機能に対して非常に厳密な安全設計を導入している。
まず、ユーザーの明示的な許可がない限り、実行系操作(予約・送信・データ書き込み)は行われない。
ユーザーの指示はあくまで「提案」または「代理実行の許可」であり、勝手にSNS投稿をしたり、クレジットカードで決済をするような行為は一切不可能だ。
また、金融関連や医療系の情報を扱う場合には「Watch Mode(監視モード)」が作動し、より慎重な処理が要求される。
さらに、開発者向けのAgent APIを利用する際にも「プロンプトインジェクション(命令のすり替え)」や「権限の越権実行」に対する制御が厳密に設定されており、商用利用にも一定のガイドラインが課されている。