夏の終わり、インド・ビハール州ラジギルに新設されたホッケースタジアムが熱気を帯びています。
8月29日に開幕する男子ホッケー・アジアカップ2025は、ワールドカップへの切符をかけた大一番。
スタンドには各国の旗がはためき、太鼓や歓声が重なり合う光景が目に浮かびます。
「一発勝負の怖さ」と「アジア王者の誇り」が交錯する舞台で、各国の代表はどんな戦いを見せてくれるのでしょうか。
1.大会の基本情報と全体像がわかる
男子ホッケー・アジアカップは1982年に始まり、4年ごとに開催されるアジア最高峰のフィールドホッケー大会です。
今大会の舞台はインド・ラジギルのビハール・スポーツ大学ホッケースタジアム。
期間は8月29日から9月7日まで、優勝国は2026年オランダ・ベルギー共催のFIHワールドカップ出場権を獲得します。
参加国は8つ。プールAにはインド、日本、中国、カザフスタン。
プールBには韓国、マレーシア、バングラデシュ、チャイニーズタイペイが入りました。
パキスタンとオマーンは不参加となり、代わりにバングラデシュとカザフスタンが加わったのも今大会の特徴です。
2.優勝候補ランキングTOP3
アジアで最も実績があり、世界ランキングでもトップクラスに位置するインドが本命、伝統国として圧倒的な技術と戦術を誇ります。
韓国は過去最多5回の優勝を誇るアジアの雄。
経験豊富なベテランとスピード型の若手が噛み合い、再び頂点を狙える布陣です。
マレーシアは「スピーディー・タイガース」の異名を持ち、ドラッグフリックと速攻の破壊力が魅力。
近年の安定感を考えると、優勝戦線に絡む可能性は高いでしょう。
3.ダークホースの存在
日本代表「サムライジャパン」は2018年アジア大会で金メダルを獲得した経験があります。
藤島來葵主将を中心に、粘り強い守備と速いリスタートで番狂わせを狙えるチームです。
中国は組織的な守備とフィジカルを武器に勢いを伸ばしており、アジア大会でも存在感を示してきました。
成長過程にあるチームですが、上位進出の可能性は十分。
さらにチャイニーズタイペイは2025年のAHFカップ準優勝でアジアカップ初出場を決めた新星。
得点王に輝いた謝宗佑の決定力は、今大会でも注目されるポイントです。
出典:Japan Hockey
4.インド代表の注目選手
インド代表の軸は、主将でディフェンダーのハルマンプリート・シン。
世界屈指のドラッグフリッカーで、2021–22シーズンのプロリーグでは得点王にも輝きました。
中盤のハルディク・シンとマンプリート・シンはゲームメークとボール奪取の要。
前線にはマンディープ・シンやアビシェークといった決定力あるフォワードが控えています。
守護神は若手のクリシャン・パタクとスラジ・カルケラ。世代交代の真っただ中で挑む大会でもあります。
5.韓国代表の武器とキーマン
韓国の武器は堅守速攻とペナルティコーナー。
その中心にいるのが40歳のレジェンド、ジャン・ジョンヒョン。
彼のドラッグフリックは今なお健在で、勝負どころで試合を決める力を持ちます。
攻撃陣ではイ・ジョンジュンやチョン・マンジェが豊富な運動量でゴールを狙います。
経験豊富なベテランと若手が融合した韓国は、番狂わせではなく堂々と優勝候補に数えられる存在です。