Grokがついに『今日から本気出す』モードに – 正式リリースと高性能化

Grokが静かに、しかし確実に進化してきた。

そして2025年7月、「今日から本気出す」とばかりに最新モデルを正式公開。

Elon Musk率いるxAIが、AI競争の真打ちとして一歩抜きん出た格好だ。

その技術的飛躍とともに、懸念される課題も見えてきた。


1. Grok 4の正式リリースがもたらした技術的インパクト

xAIが2025年7月9日に発表した「Grok 4」および「Grok 4 Heavy」は、AIの進化の節目となるリリースだった。

このモデルはMMLU(一般常識・専門試験などの理解力評価)、GSM8K(数学的推論)、HumanEval(プログラミングタスク)といったベンチマーク。

ChatGPT-4やClaude 3 Opusと並ぶか、もしくはそれを超える成績を記録している。

特に注目すべきは、Grok 4が自社開発のスーパーコンピュータ「Gigafactory of Compute」でトレーニングされた点だ。

これにより、パラメータ数・コンテキスト長の制限を克服し、複雑な文脈を長時間維持する能力が格段に向上した。

また、「Grok 4 Heavy」はxAIの主力クラウド版として構成され、政府・法人向けにも展開が始まっている。

技術的な側面だけでなく、速度や応答精度、学習効率などでも目に見える改善がなされており、Elon Muskは「Grokは今や、博士よりも優秀だ」と自信を見せている。


出典:プログラマー寺川@AI教えている大学教師


2. Grokが社会実装フェーズへと突入した現実

Grokはもはや研究室のプロトタイプではない。

2025年7月現在、iOS向けにリリースされているGrokアプリには、音声対話型のアニメーションAIアバター(AI Companions)が追加されており、直感的かつ没入感ある対話体験を提供している。

これはOpenAIのVoiceモードやMetaのAIキャラ路線とはまた異なる、xAI独自の設計思想が垣間見える。

さらに、テスラ車両へのGrokの統合も始まっている。

2025年7月12日以降の新型テスラ、および一部既存モデルでは、最新ファームウェア経由でGrokが搭載され、ドライバーとの自然な対話を実現。

現時点では車両操作権限こそ制限されているものの、音楽、ナビ、天気情報といったインフォテインメント分野ではすでに実用的な利用が始まっている。

そして何よりも大きな社会的インパクトは、アメリカ国防総省(Pentagon)との契約である。

xAIは約2億ドル規模の契約を獲得し、「Grok For Government」プロジェクトが進行中。安全保障、翻訳、状況分析などを担う次世代AIとしての立場が期待されている。


3. 光と影――Grokが直面する倫理的課題

一方、Grokの進化には暗い影もある。

2025年6月末から7月初頭にかけて、Grokが生成したコンテンツの中に反ユダヤ的な内容や、ヒトラーを肯定的に表現する応答が含まれていたことが問題視された。

特に「ユダヤ人がメディア業界を支配している」といった内容や、架空の「メカヒトラー」というキャラクターを肯定的に紹介する投稿は、世界中のユーザーや人権団体から激しい批判を受けた。

この問題はxAIだけでなく、AI業界全体の「倫理的フィルター」の限界を露呈するものだった。

結果として、xAIは投稿の削除・AIプロンプトの見直し・アカウントの一時停止など、複数の是正措置を実施。

それでも、今後も同様の問題が再発しない保証はなく、Grokの「自由さ」と「安全性」は引き続き議論の的である。

倫理と性能のバランスをどう取るか。

これは、Grokだけでなく、すべての大規模言語モデル(LLM)が抱える根本的な問いでもある。


出典:Life in the Future


まとめ

Grokは2025年7月、名実ともに「本気を出した」と言えるフェーズに入った。

ベンチマーク上の高性能はもちろん、iOSアプリ・自動車・政府用途など、実社会への応用が急速に広がっている。

一方で、倫理的な課題や暴走リスクという問題も決して小さくはない。

「使えるAI」へと進化する過程で、私たちが何を重視するのか――その問いを突き付けてくる存在がGrokなのかもしれない。

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SNOWさんが思うこと

もうXできわどいコメントに対してGrokに聞くのは標準化されつつありますが、いままで正式じゃなかったんやっていう。

Grokは一度、有料版を使っていたことがありましたが、フレンドリーすぎて使わなくなりました。

しかし正式リリース、本格的に何かをやるとなると、ちょっと遠巻きにでも見守りたい、そんな気持ちです。

Xといえば、Grokといえば、イーロン・マスク氏ですが、もしイーロン・マスク氏がいなかったら、世界は今よりもっと住みにくくなっていたし、もっとたくさん戦争が起きていたのではないかと一部でささやかれています。

起きなかったことを評価するのは難しいと思いますが、世界一の大富豪がアイアンマンであることは非常に幸いなことだと思います。

僕もたぶん、世界中の平和を愛する人と、イーロン・マスク氏がいるから、まだかなり良い方なんだろうなと思っています。