ランニングの練習メニューをおさらい – テンポ走・ビルドアップ走・ジョグ等

ランニングを日課にしている人にとって、「なんとなく走る」ことは意外と多いかもしれません。

しかし、目標を持って継続するためには、練習の目的を意識したメニュー選びが欠かせません。

今回は代表的な練習方法であるテンポ走、ビルドアップ走、ジョグの3つを中心に整理し直してみます。

それぞれの特徴と目的を明確にすることで、日々の練習にも納得感が生まれてくるでしょう。


テンポ走とは「余裕のない速さ」で鍛える練習

テンポ走(Tempo Run)は、最大心拍数の約85〜90%程度、または乳酸閾値(LT)付近の強度で一定時間を維持する練習です。

距離でいえば5〜10km、時間でいえば20〜40分間ほどが一般的な設定となります。

目的は、「きついけれどギリギリ持続できる」ペースで走ることで、乳酸の蓄積を抑えながらスピード持久力を向上させることです。

データによれば、週1回のテンポ走を4週間継続することで、10kmのタイムが平均2〜4%改善された例も報告されています。

  • 息切れはしないが、会話はできない程度の負荷
  • フルマラソンならレースペースよりやや速いペースが目安
  • 継続的に取り入れることでレース終盤の粘り強さにつながる

ジョグに比べて心理的・身体的なハードルは高いですが、スピード系の練習が苦手な市民ランナーこそ、まずはテンポ走を習慣にすることで着実な成長が見込めます。


出典:【タカヤマラソン】チャンネル


ビルドアップ走は「走りながら仕上げていく」練習

ビルドアップ走(BU走)は、最初はゆっくり、後半に向けて徐々にペースを上げていく練習です。

ペースの段階的な変化がポイントで、例えば「キロ6分→5分30秒→5分」といった具合に段階を踏みながら進めます。

この方法は身体を丁寧に温めつつ、ラストでは追い込んだ走りができるため、負荷の調整が柔軟で怪我のリスクも低いとされています。

科学的にも、ビルドアップは心拍数や筋温上昇を効率よく誘導でき、VO2maxトレーニングとしても効果的とされています。

  • 練習後半の集中力や脚力を鍛えることができる
  • 一定の緊張感を持ちつつ、無理のない追い込みが可能
  • 体調や疲労度に応じて途中で調整しやすい点がメリット

特に中・長距離ランナーやマラソンを目指す人には、ビルドアップの感覚がレース後半に強く活きるといえるでしょう。


ジョグは「土台を作る」基本の練習

ジョグ(Jog)は、リラックスしたペースで走る基本中の基本ともいえるメニューです。

会話ができる程度の心拍数、キロ6〜8分台が一般的で、主に心肺の回復、フォームの確認、血流改善などが目的となります。

一見すると「ゆるすぎる」印象を持たれるかもしれませんが、トレーニング全体の70〜80%がジョグ中心であるというエリートランナーの事例もあるように、非常に重要な役割を担っています。

  • 疲労回復や次のポイント練習へのつなぎとして機能
  • ケガのリスクが最も低く、習慣化に向いている
  • 朝ランや通勤ランなど日常の中にも組み込みやすい

継続のしやすさ、気持ちよさ、怪我予防の三拍子がそろったジョグは、他の練習を活かす「インフラ整備」ともいえる存在です。


まとめ

テンポ走、ビルドアップ走、ジョグはいずれも単なる「走る」ではなく、それぞれに明確な狙いがあります。

テンポ走は持久スピードの強化、ビルドアップ走は変化への対応力とラストの粘り、ジョグは心身の回復と基礎体力の維持に貢献します。

市民ランナーでもこの3本柱を意識してバランスよく取り入れることで、単調な練習から脱却し、より計画的な成長が望めるでしょう。

目的を意識して走ることが、日々のトレーニングをもっと楽しく、もっと効果的にしてくれるはずです。

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SNOWさんが思うこと

まさに基礎トレーニングの王道らしき、3つの走り方について説明してもらいました。

さらにタイムを上げていくためには、別のスピードアップのためのトレーニングも必要なんですが、それはまた後日書けたら書きたいと思います。

実際、この基礎をこなして最後まで走れるようになることで、10㎞走で1時間切るぐらいはできるんじゃないかと思っています。

シンプルだけど奥が深い、マラソンやジョギングの世界ですね、健康にも間違いなく良いと思います。