2025年の明治安田J1リーグは、序盤からハイレベルな試合が続き、まさに「技術と戦術のぶつかり合い」と呼ぶにふさわしいシーズンとなった。
どのチームも攻守のバランスを保ちながら、見ごたえのあるゴールや華麗なプレーを繰り出していた。
ファンの記憶に残る名場面が、各地で生まれている。
今回は、今季ここまでの「ベストゴール」と「ベストプレー」を取り上げながら、その背景にある進化や魅力を掘り下げてみたい。
1.月間ベストゴールに見る「狙い」と「ひらめき」
今季もすでにいくつかの“芸術的”なゴールが生まれているが、特に印象的だったのは、広島の東俊希が決めたボレーシュート。
クロスからのボールを一発で振り抜いたその瞬間、スタジアムは静まり返った。角度、タイミング、そしてミートの正確さ──すべてが完璧だった。
岡山の田部井涼が放った一撃もまた、J1のゴールシーンに新たなページを刻んだ。
遠目から豪快に蹴り込んだミドルは、GKの予測を完全に裏切るルートを描き、ネットを揺らした。
どちらのゴールにも共通していたのは、事前に相手の動きを読んだ“ひらめき”と、それを実行できる“技術”の高さだった。
2.プレー全体で魅せたベストアクションの数々
目を引くのはゴールだけではない。
鹿島の佐野海舟が見せたインターセプトからの持ち上がりは、ピッチ中央を支配する力を見せつけるような場面だった。
相手のパスを読んで先に触れ、そのまま前線へボールを運び、味方のゴールチャンスを演出。
いわゆる“守から攻”へのスイッチが、わずか数秒で完了していた。
サイドの突破では、FC東京のバングーナガンデ佳史扶が魅せた3人抜きのカットインからのラストパスも圧巻だった。
個の力で切り裂くだけでなく、最後の判断でチームプレーに持ち込むあたりに、今のJリーグの完成度の高さを感じる。
そして忘れてはならないのが守護神の活躍。
名古屋のランゲラックが記録した1試合9セーブのパフォーマンスは、ただ止めるだけでなく、その後のカウンターの起点としても機能していたのが印象的だった。
3.映えるプレーがJリーグの価値を引き上げる
今や「ベストプレー」はゴールだけにとどまらない。
SNSや動画配信の拡散力により、組織的なビルドアップ、巧みなプレス回避、意外性のあるラストパスなど、“映える瞬間”の価値がどんどん上がっている。
公式ハイライトでも、ただのゴールシーンではなく、その過程まで含めて丁寧に編集されることが増えた。
コメント欄では海外ファンからの声も見られ、「この流れはプレミアでも通用する」「タッチワークがラ・リーガ並だ」といった評価も寄せられている。
Jリーグ全体が「世界に見せるための舞台」として成熟してきたのを感じる。
もちろん選手たちも、その意識を持ちながらプレーしているようだ。
まとめ
2025年のJ1リーグはゴールという結果だけでなく、その背景にあるチームワークや個のひらめきが光るシーンが多い。
動画でも言葉でも、その魅力は国内外に確実に伝わっている。
これから後半戦に入るが、さらに記憶に残るプレーが続々と生まれてくるだろう。
目を離さずに見守っていきたい。
※『シャレン!』Jリーグを使ってみませんか?(Amazon)
SNOWさんが思うこと
サウジアラビアでJリーグ初期のような、サッカーバブルが展開されていますよね。
Jリーグはというと、良い意味で完全に落ち着いている印象があります。
サウジでの前向きなサッカーの発展も祈念しつつ、Jリーグも一つ一つのプレーをちゃんと見たらすごく面白い。
また近々、地元チームを応援にスタジアムに行きたいなと書いていて思った所存でございます。